ペンギンの交尾中にセルフィー撮影
1月下旬、インスタグラマーのステフ・エルスウッドさんが南アフリカのケープタウンにあるボルダーズビーチを訪れていたときのこと。
ここは世界で唯一、近くに接近して野生のケープペンギンを見ることができる「ペンギンの楽園」としても知られており、ステフさんもペンギンが背景に映り込むようにセルフィーを撮影したという。
インスタ映えする構図を考えながら、約10分間かけて撮影したのがこちらの写真。だが、彼女がこれをインスタグラムに投稿したのち、あることが判明する。
実は、背後のペンギン2匹は交尾をしている真っ最中だったのだ。
野生生物が人間から受けるストレスを懸念
セルフィーに夢中になりすぎて背後のペンギンが何をしていたのか、まったく気にかけていなかったと話すステフさん。だが、この写真をきっかけにある問題が浮き彫りになった。
ステフさんは次のような投稿をしている。
ボルダーズビーチのペンギンたちは観光客が近づきすぎるため大きなストレスを抱えていると知りました。ペンギンたちが特に反応しなかったので私も接近してしまいましたが、この行為がストレスを与えてしまったのだと罪悪感にかられました。ここへ訪れることを検討されているのなら、ガードに野生生物との適切な距離感を尋ねてください。今回の件で私自身学ぶことができましたが、投稿で不快な思いをさせてしまった方に謝罪します。
毎日多くの観光客が訪れるこのビーチでは、セルフィー撮影をする人たちが後を絶たない。ペンギンとは一定の距離感を保つことが理想とされているが、より近くで写真を撮ろうとする人たちはそれを無視してしまうのだという。
日々押し寄せる観光客から、何の前触れもなく接近されたり交尾の最中にカメラを向けられるなど、ペンギンたちが抱えるストレスは並大抵のものではないだろう。1枚の写真をきっかけに、思わぬところで野生生物の保護問題が浮き彫りとなったが、改めて考えさせられるいいきっかけになったのは言うまでもない。人間のエゴのために野生生物が犠牲にならないよう細心の注意を払いたいものだ。
参照元:News.com.au、Instagram