新型コロナウイルスの影響を受け、世界中で買い占めや他者への批判などギスギスしたニュースが多いなか、こんな心あたたまる出来事がアメリカであった。
不足金額を払ってあげた17歳アルバイト
米テネシー州にあるスーパーマーケットでアルバイトをする17歳少女が、高齢男性の買い物の不足金額を肩代わりしてあげたというのだ。
それには、こんな経緯があったという。
高齢者割引時間外で予算オーバーに
4月10日、このスーパーで買い物をしていたのは、障害者手当で生活をしているレイン・マッキールさん。ロックダウンのなか不要不急の外出を避けていたものの、自宅にあった食料品の備えが少なくなったため買い物に出かけたという。
この日、財布の中には140ドルしか持ち合わせていなかったマッキールさんは、レジで「173ドルです」と言われてしまい困ってしまったようだ。
実はアメリカには高齢者の買い物が割引される時間帯があり、マッキールさんもその時間内に買い物をしたつもりだったのだろう。だが、気がつくとすでに割引時間外になっており、自身が計算した合計金額よりも高額になってしまっていたのだ。
必要なものばかりで役に立ちたかった
慌てたマッキールさんがいくつかの商品を戻そうとしたところ、レジ係だったエリザベス・テイラーさん(17)から「大丈夫です、ご心配なさらずに。すでに支払済みですから。」と言われ、マッキールさんは何度もお礼を言って自宅へと帰ったのだそう。
のちのメディアのインタビューに対し、エリザベスさんはこう語っている。
男性の購入したものは生活に必要なものばかりでした。彼はいくら貸しがあるのか尋ねましたが私が支払いたかったのです。今のこの状況に置かれ、食料品を購入しようとしても在庫不足で購入できない高齢者の方を多く見てきました。ですから助けてあげられる時に役にたちたかったのです。
17歳少女が見せた優しさは地域の人のみならず世界中の人々をあたたかい気持ちにさせたことだろう。こんな緊急事態だからこそ、他者を思いやる気持ちを忘れずに助け合いながら生きていきたいものだ。