感染すると刑務所から出られるため・・・
昨今の情勢を受けアメリカの刑務所では、受刑者に新型肺炎の感染が確認されると隔離措置がとられ、一時的に出所させる制度が新た設けられた。
このシステムを利用して、米ロサンゼルスの刑務所で恐ろしい出来事が起きていた。
ロサンゼルス郡保安事務所の発表によると、4月26日、カリフォルニア州キャスティークにあるピッチネス拘留センターにて、受刑者らが水を回し飲みしている姿が監視カメラで捉えられた。
その理由はただ一つ、新型コロナウイルスに感染し出所すること。
他にも、使用済みのマスクを共有したり、検温前にお湯を飲んで体温を高くしたりといった行動も確認されている。
これらの事態を受け、担当保安官のアレックス・ビジャヌエバ氏は会見にて「受刑者に多数の陽性反応が出た場合、刑務所から受刑者を釈放するという規定を定めておりましたが、そうしたことは起こりえないと考えていました。しかし、それは誤った認識でした。」と述べている。
実際に、この監視カメラの映像が捉えられた1週間後に、感染者数は60%も増加している。さらにこの後2週間で、357名の受刑者中、123名に陽性反応があったという。
当局はこの映像を確認するまで、感染者の増加の理由が不明だった。
ビジュヌエバ氏はこれについて会見で、「感染しようとした受刑者自身の安全のみならず、この行動に反対している受刑者や、刑務所に出入りする職員すべての命を危険に晒している」と、感染し出所しようとした受刑者たちを強く非難していた。
ちなみにロサンゼルス郡は2月にも、暴力犯罪以外で収容されていた受刑者5000人あまりを釈放している。
アメリカのほとんどの刑務所では、ソーシャルディスタンスを守ることはほぼ不可能とされており、感染拡大が避けられない状況が続いていいる。
中でも、ストリートギャンググループのリーダーが禁錮6年から自宅軟禁に変更されているなど、凶悪犯の釈放が続いているという。