社会的距離を取るために神父が使ったのは・・・
敬虔なカトリック教徒の人々は、教会に行く際に”聖水”と呼ばれる水に手を浸して十字を切り、神の祝福を願う。しかし、新型肺炎が蔓延する今日この頃では、祝福の水もウイルスの温床になりかねないため、ほとんどの教会が聖水を控えている。
そんな中、今回取り上げるアメリカ・ミシガン州デトロイトの教会では、あるものを使って聖水をかけているらしい。
それがこちら。
信者はドライブスルーで礼拝を、そして神父は水鉄砲で聖水をピュー!とかける。
どうみてもギャグにしか見えないが、神父様も礼拝者の皆さんもいたって真面目。社会的距離を取りながら、聖水をぶっかけられるのである。
このイベントをおこなったのは、デトロイトにあるセント・アンブロース・パリッシュ大聖堂。ここでは、3月28日から4月3日の「受難週」と呼ばれる日に、ドライブスルー祝福を行なったという。
もちろん、神父のティム・ペルク氏(70)はフェイスシールドとN95マスクで完全防備。
この光景は、4月11日にfacebookへ投稿され、こうメッセージが添えられていた。「イースターの食物に祝福があらんことを。社会的距離をとることの必要性を受け、セント・アンブロース聖堂は、伝統的なイースター・フードのバスケットを、ドライブスルー方式で祝福します。」
すると、ネット上でこのシュールな画像が拡散し話題になり、コラ画像まで作られるほどの人気っぷりに。教会のスタッフも、この流れにとても喜んでいたようだ。
こうした流れから、米バズフィードがティム神父に直撃。今回の試みについてこのように語っていた。
「当初、地域の子供達を楽しませるために何かできないか模索していました。
私たちはすでにイースターの準備ができており、どう社会的距離を保ちながら行うかを考えたのです。」
そこでティム牧師は複数の医師に相談をし、いかに安全に祝福を行うかを考えた。賛成してくれる人ばかりではなかったようだが、医師らは安全な祝福に向けて防護服やフェイスシールドを提供してくれたという。
新しい生活様式が求められている昨今で、今回の試みは、公衆衛生を守りつつ伝統を継承する良い手本となったことだろう。