負傷した登山者にさらなる追い討ちをかけたあの事件
いまからちょうど一年前の6月、アメリカ・アリゾナ州にて、登山中に負傷した女性がヘリで救助されていた中、釣り上げられていた担架が猛烈なスピンをするという出来事が起きた。
救助を受けたのは当時75歳の女性ハイカーで、登山中に転倒し、顔や頭に怪我を負ってしまったという。これを受け、地元フェニックスの消防が現場に出動し、ヘリコプターで救助に当たった。
しかし、回転防止装置が機能しておらず、女性の乗せられた担架は200回近く高速スピン。
のちの報道によると、これが原因で脊髄を損傷し、目と頭が腫れ耳から出血するなどの重傷を負ってしまい、この一年で3000万円を超える医療費がかかったという。
女性はフェニックス市の消防の救助方法に問題があったとして、現在約2億円(200万ドル)の賠償金の支払いを求め提訴。
これに対し法廷で消防は、「彼女はヘリで登山道から外れることを嫌がっていましたが、救助隊の判断により、空中救助を行って輸送することを決定しました。ヘリの救助によって、このような回転が生じる可能性があることに気付きながら、安全基準に違反したため、原告にけがと損害を与えました」と認めている。
いまだ判決はくだされていないが、女性は現在でも後遺症に苦しんでおり、医療費の支払いに追われているという。
発生当時の映像は大きく話題になったが、タイトルでクレーマー案件かと思ったら、絶句してしまう大変な事故であった。明らかな消防の過失なので、女性の勝訴になることが必然かもしれない。