長い戦いの果てにやっと生還したのに・・・
5月初旬、コロナウイルスを発症し入院したアメリカ人の男性が、2ヶ月もの長い闘病の末、奇跡的に生還したというニュースが報じられた。
平均入院期間はおよそ14日と統計が出ている中、この2ヶ月という入院期間は非常に長い。
こちらの映像が、その際に報じられた男性が退院する様子である。
めでたく退院したのは、ワシントン州シアトルにお住まいのマイケル・フローさん(70)。
3月に肺炎を発症し、シアトル市内にあるスウェディッシュ・イサクア医療センターにて治療を受けていた。
しかし4週間は意識不明の状態が続いており、担当医によると、この間はほとんどの臓器の活動が停止してしまっていたという。
悲惨な状態が続いていたことから、彼の家族には「おそらく生還は難しい」と伝えており、隔離病棟には家族の立ち入りも禁止されているため、フローさんは電話を通じて最後のお別れを告げていた。
だが5月、なんとそこには大勢のスタッフに拍手されながら退院するフローさんの姿が。上の動画はその様子を映しているが、肺炎だったとは思えないほどの元気な様子が映っていた。
ハッピーエンドのようにも思える今回の出来事だったが、この1ヶ月後、予期せぬ展開が待ち受けていた。
フローさんに多額の請求が
その後、フローさんは自宅で療養を続けているというが、そこに届いた請求書に仰天した。
書かれていた金額は、なんと112万ドル(約1億1987千万円)にも及ぶものだったのである。
実はこの予感はフローさんにもあり、意識を取り戻した際、妻のエリザさんに「ここから出なければ。入院費を支払う余裕はない」と話していたのを覚えているという。
請求の内訳は、集中治療室42日間分の使用料が40万ドル(約4300万円)、人工呼吸器を29日使用したことで8万ドル(約870万円)、ほか4分の1がほぼ薬代となっている。
特に全ての臓器が停止し危篤状態に陥った2日間で、医師はこの時、考えられるすべての手段を家族に提案していた。その請求書はおよそ20ページにも渡り、合計10万ドル(1000万円)にも及んだという。
地元メディア「Seattle Times」の取材に対しフローさんは、「なんで私がこんな目に。私の命がこの金額に値するものなのか。この信じられない請求額を見ると、間違いなく生きていることに罪悪感を感じます。」と悲しいコメントを出していた。
アメリカは現在、コロナウイルス感染者を対象に政府が援助金を出しているため、1億円にも及ぶ金額をすべて支払う必要はないとみられる。とはいえ、自己負担額がある程度減ったとしても、膨大な金額になることは想像に容易い。
参照元:Seattle Times、Facebook [1]、[2]