一つの州で3名も消毒液を飲み重体に
アメリカのニューメキシコ州にて、手指消毒液を直接飲み、3名が死亡し1名が完全に失明したというレポートが上がった。
週の保健当局によると、他にも7名が手指消毒液を直接飲んだあと、病院に搬送され、重い症状を訴えているという。この原因となっているのは、主に消毒液に含まれるメタノールと呼ばれる成分。
メタノールとは有機溶剤などに使われる工業用アルコールの一つで、一般的なお酒の成分であるエタノールとは異なるもの。安価なため発展途上国では密造酒として出回ることもあるが、飲み込むと吐き気や意識障害、最悪の場合死亡することもある。
一連の報告はニューメキシコ中毒管理センターに報告されており、一番最初に始まったのは5月7日。その後今日にかけて、次々と中毒者が現れたという。
保健当局はこれを、アルコール依存症に関連する事態だと述べており、メタノールを含む手の消毒液を使用した人は直ちに知らせるよう呼びかけている。
一部のアルコール依存症者は、中毒症状により手指消毒剤を飲用してしまうことがあるのだ。
また、この発表の前に米国食品医薬局(FDA)より、メキシコの「Eskbiochem SA de CV」社が製造した9種の消毒液が、メタノールが含まれているために販売停止措置がとられた。そのうちの一つのサンプルには、およそ81%もメタノールが入っていたという。
こうした消毒液を使用することは手指でも非常に危険だが、主にアルコールの代替品として飲んでいる大人が最もリスクが高いという。
感染拡大が広がるアメリカでは、現在も消毒液が必要不可欠。今回の中毒事件は、コロナウイルスの二次被害ともいえるだろう。