ボツワナで350頭のゾウが亡くなる
今年6月、ボツワナ北部オカバンゴデルタの国立公園にて、350頭以上のゾウが大量死していることを政府が報告した。
Hundreds of elephants dead in mysterious mass die-off https://t.co/v7aoMenwpr pic.twitter.com/mfJCLfZnhO
— Guardian news (@guardiannews) July 1, 2020
この事件が最初に報じられたのは今年5月上旬。それまでに169頭のゾウが亡くなっており、6月にはその数が2倍以上に膨れ上がった。匿名の情報筋によると、死亡しているゾウの70%は公園にある滝壺の周辺に集中していたという。
英国立公園レスキュー隊の専門家によると、同様の大量死は深刻な干ばつが起こらない限りありえないと語っている。
ボツワナ政府はいまだにサンプルテストといった原因の究明を行なっておらず、人への影響なども明らかにしていないとのこと。だが、考えられる理由の一つとして、地元の密猟者が使用するシアン化合物があげられている。
過去にも同様の事態が炭疽菌によって引き起こされていたというが、最初の調査によってその可能性は除外された。
地元の目撃者によると、ゾウが円を描くようにぐるぐる歩き回っていたという。これは神経障害の影響とみられている。いく頭かのゾウは頭から地面に倒れており、非常に早く毒素が回って死に至ったことが推測されている。他のゾウは、歩き回りゆっくりと死んでいったと見られ、毒が何なのか特定は難しいということだ。
また、死体を漁るハゲワシなどの動物には、異常行動が見られなかったという。そして、どのゾウも象牙が狩られていなかったとのことだが、密猟者が採取しに戻ってくることを考え、地元当局は警戒を強めている。
ボツワナは動物とのふれあいを楽しむエコ・ツーリズムが人気を集めており、野生動物は外貨取得の要といえる。にもかかわらず、ボツワナ政府が緊急調査に乗り出さないことに、専門家からは批判が続出している。
参照元:The Guardian、Twitter