まだちょっと旅行は早いのでは・・・
7月に入り、新型コロナウイルスの感染拡大がピークを過ぎ去ったイギリスにて旅行が解禁された。
日本同様、旅行客の出費によって経済の活性化を期待する地方の人々は喜んでいるというが・・・感染の再拡大を恐れる人々からは猛反発を食らっているという。
反発が目立ち始めたのは、イギリス最南端に位置するコーンウォール州。アーサー王伝説といった歴史のほか、自然豊かなビーチが人気を集める観光名所である。例年、夏には多くのサーフィン客が休暇に訪れるという。
地元行政はこのチャンスを逃さまいと旅行客の受け入れを開始したが、地元民の一部にはお断りムードが漂っているという。
そんな中7月第1週、観光客がよく通るデヴォン州の高速道路の高架橋に、「旅行客は帰れ!失せろ!」という攻撃的なボードを掲げる三人組が現れた。
その当時も何千台もの車がコーンウォール州へ向かっており、多くの人がこのボードを目撃。SNS上に投稿されると、地元観光局長の耳にも届き、「許されることではない」と怒りのコメントを述べた。
更に街中には、「ようこそ観光客」とかかれたボードを掲げている死神姿の人物も発見されている。
一連の出来事に関して、SNS上では様々な声が寄せられており、「コーンウォールの経済は観光事業に依存しているのに、行楽客に失礼だ」と怒る声や、「この街は大きな病院が一つしかないから感染拡大したら困る。」といった地元民への同情も寄せられていた。
ロックダウンの影響で、コーンウォールの農業や飲食などの観光関連産業は大きな打撃を受けている。
観光会社「Visit Cornwall」の最高責任者は、地元メディアに対しこのように語る。
「非常に暗いトンネルの向こうに光がある。誰もが責任を負わなければならない。
私が望むのは、お互いを保護し、尊重し、そして楽しむことだ。
ソーシャルディスタンス、手洗い、衛生管理のガイドラインに従い続けるため、また、混雑を避けるためにもいち早く再開し、観光客による地域への定期的なサポートを必要としている。」
感染再拡大のリスクもある一方、地元の人々の経済的な損失が避けられない。コーンウォールの人々の問題は、私たち日本人にも無関係ではないといえるだろう。