ゲーマーになるために中退？
ほとんどの親は、子供のゲームをする時間は無駄だと切り捨てることが多い。だが今回の少年の父親は、なんとプロゲーマーの夢に集中させるべく高校中退を許したのだという。
注目されているのは、オーストラリア・ゴールドコーストに住む一家。ここで暮らす息子のアレックス・マケクニーくん(17)は、かねてよりネット上の友人とオンライン対戦をすることを好んでいた。
中でも好きなのは、バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」。2017年にリリース以来世界中で大きな人気を誇り、賞金つきの世界大会も開かれている。
上位まで勝ち進んだ場合、一攫千金が狙えるが・・・この度、アレックスくんはこのフォートナイトのプロゲーマーとなるべく、高校中退が許されたという。勉強や宿題をすべて投げ打って、ゲームに専念できるようにである。
その条件は、必ず何かしらの手段でお金を稼ぐこと。
すでに彼は、ゲーム配信サイト「Twitch」で22万人のフォロワーを抱えており、過去一年半で世界中のオンライン対戦大会に出場。その結果、約320万円（4万2000豪ドル）の収入を得たという。
アレックスくんは、時に父親の1日の収入を超える額を稼ぐこともあるという。当初は学校をやめさせる気は毛頭なかったというが、彼がゲームに注ぐ情熱を見た時、考えが変わったという。
地元紙のインタビューで、彼の父親はこう語る。
「最初はゲームに関して厳しくしていました。
平日は勉強に集中させたかったので、ゲームは週末だけやらせていました。
しかし昨年『これは本気だぞ』と感じましたね。もしあなたの子供がトップクラスの水泳選手で、その年はオリンピックが開催されるというなら、どのようにサポートするでしょう？
彼を助けるためならなんでもやるつもりです。eスポーツも違いはありませんよ。
今年はアレックスを集中させるための一年にしようと思っています。」
アレックスくんは過去に一度、あと一歩でフォートナイトの国際大会の出場権を逃したことがある。国際大会の賞金は総額22億円（3000万豪ドル）で、一攫千金のチャンスとなっていた。
ちなみに、勉学を完全に諦めるわけではない。TAFE（州立の職業訓練校）での勉強は必ずすると約束し、1日6時間ゲームのスキルを磨くこととなっているという。
このニュースには賛否が分かれており、「立派に稼げるなら100％サポートすべき」「いいことだ。学校に戻りたければいつでも戻れる」といったコメントもあれば、「学校はちゃんと行けば職業の幅も広まるのに」「ゲーム大会もいつまでもあるわけではない」といった心配する声もあった。
勉強を続けるという点においては安心できるが、最後のコメントのように、ゲーム業界がいつまでもホットでいる保障はない。これはどの業界でも言えることだが、きちんと卒業して選択肢を持っておくのは大事なのかもしれない。
