黒人のふりをして人種差別と戦ってきた人権活動家?
米大学でアフリカ系アメリカ人史を研究している学者、そして人権活動家である女性が、ある衝撃的な告白をしたとして混乱を呼んでいる。
それは、白人でありながら、長年にわたり黒人のふりをしてきたということ。
注目を浴びているのは、ジョージ・ワシントン大学で研究を行うジェシカ・ラ・ボンバレラ氏。本名はジェシカ・クリュッグで、実際はカンザス州カンザスシティ出身のユダヤ系の白人女性だった。
メディアアプリ「Midium」にジェシカ氏が投稿した記事によると、彼女は過去に、黒人文化調査センターより金銭サポートを受けながら、大西洋奴隷貿易に関する本を執筆していたことを明らかにしている。こうしたキャリアは、「嘘まみれの有毒な土壌に根ざしていたものだった」と明かしていた。
彼女の嘘は青年期に渡ってどんどんエスカレートしていき、最初は北アフリカ系黒人、アメリカでの奴隷の子孫、ニューヨーク出身のカリブ系移民などなど、自身のアイデンティティは嘘で塗り固められていった。
それと同時に、カンザスシティ郊外で生まれ育ったユダヤ系であるという事実から遠ざかっていったという。
また、ジェシカ氏は今年6月に警官の暴力に関する公聴会にも出席し、専門家としてスピーチを行ったばかりだった。こうしたことから、”ジェシカ・ラ・ボンバレラ”として知っていた人々は、SNS上で強い不快感を示している。
そのうちの一人、人権活動家であり作家のロバート・ジョーンズ氏は「今は動揺していて感情をまとめきれないが、愚かにも裏切られたようなもので、多くの点で不快に感じています。」と明かしている。
ジェシカ氏は投稿記事にて、過去のトラウマ的体験や、幼少期のメンタルヘルスについても触れていたが、彼女の行動を許す理由にはならないと付け加えていた。
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また、自身を白人ではなく黒人であると偽っていたのは彼女が初めてではない。2015年、全米黒人地位向上協会の支部長だったレイチェル・ドレザル氏も、黒人に成り代わっていたことが明らかになっている。
これは、彼女の幼少期、両親が四人の黒人の子供たちを養子にとったことから黒人に扮し始めたことが理由とされている。以来、黒人文化に深く同化するようになっていったという。
暴露後、彼女は強い批判にさらされたが、「これからも人権を守るために戦い続ける」と宣言している。
今回告白をしたジェシカ氏の今後の動向が気になるところだ。