バナナを送って嫌がらせか
バナナは世界中で広く親しまれているが、状況によっては「猿が食べるもの」といった示唆が含まれていることもある。
今回のイギリス在住の黒人男性は、そんな悪意を含んだ嫌がらせを受けてしまった。
GUILTY: Racist who ordered a banana to a black customer's table via the Wetherspoons app fined £600 and ordered to pay costs of £620 in addition.
Louie Kincella, 20, was found guilty at Bexley Magistrates Court on September 11. https://t.co/ED9H1r6zJQ
— Tell MAMA UK (@TellMamaUK) September 16, 2020
被害を受けたのは、マーク・ダーシー・スミスさん(25)。昨年11月8日、ロンドン南東部ブロムリーのバーを訪れ、友人らと酒を飲んでいた。
だがその最中、彼のテーブルにはいきなり匿名の人物から注文されたバナナが運ばれてきたという。
一緒につけられていた領収書には「デザート」と書いてあったが、この突然の出来事にスミスさんはひどく困惑。その場で誰が贈ってきたのかはわからず、ただただ怒りや恐れ、不安に苛まれたという。
その時のことを、スミスさんは英紙「The standerd」にこのように話す。
「私はこのバーに歓迎されておらず、安全ではないと思いました。
以前より人種差別を経験していますが、こんなことは今までにありませんでした。こうしたチップやプレゼントは友人から楽しく受け取るものでしたが、今回の経験は少しショックでした・・・。」
その後、被害届を受け取った警察が事件を調査。1月17日に、ロンドン郊外に住むルイ・キンセラという男を自宅で逮捕した。(※上記ツイッター画像の男性)
公判は9月11日にベクスリー裁判所にて行われ、公序良俗法に基づき、彼は人種的な差別をしたとして有罪に。罰金約8万円(600ポンド)に、追加でさらに8万5000円(620ポンド)が上乗せされた。
捜査に当たったスチュアート・ハート刑事は今回の事件に対し、「監視カメラの映像は使えず、特定は簡単ではありませんでした。これには、重要な証拠を収集するために緊密な調査が必要でした。憎悪犯罪の防止は国家の優先事項であり、私たちは全ての申し立てを真剣に受け止めています。」と語っている。
また英紙「Mirror online」によると、パブの担当者もキンセラ被告を出入り禁止にしたと話している。
参照元:The standard、Twitter