病気の犬をおぶって歩いてきた少女
先日、トルコに住む8歳の少女セムレちゃんは愛犬『パムク』の様子がおかしいことに気付いた。
体を掻きむしり何らかの病気にかかっているのではないかと思ったセムレちゃんは、いつもならかかりつけの獣医師のもとへ行くのだが、ここ数日は雪が降り積もっていたため連れていくことができなかったという。
そんなとき、村の農場にオグン・オズターク獣医師が牛の診察にやってくるという情報を聞きつけ、そこなら歩いていけると思ったのだろうか。2月21日、パムクをおぶって雪の積もった道を2キロほど歩いて獣医師に会いに行ったのである。
動物を大切にする姿に希望
ちょうど診察を終えて帰ろうとしていたオズターク獣医師は、犬をおぶって歩いてきた少女の姿に驚いたという。だが、事情を聞くとその場ですぐに診察をし、パムクは軽い皮膚病にかかっていたため塗り薬を処方したということだ。
セムレちゃんはポケットに入れてきた治療費約100円を支払おうとしたが、オズターク獣医師は「セムレの犬を思う気持ちこそが治療費に値します。こんな幼い子供が動物を大切にする姿に希望をもらいました。」と金銭は受け取らなかったという。
今回のセムレちゃんの行動をオズターク獣医師がSNSに投稿し、国内で報道されると、セムレちゃんは以前からかかりつけの獣医のもとまで約2.5キロの距離を歩いて通っていたことがわかった。
大切な家族の一員のために獣医師のもとへ足を運ぶのは当然かもしれないが、セムレちゃんのように環境が整っていなければ難しいことも多々あるだろう。今回の件でセムレちゃんとオズターク獣医師は友達になったようで、その後もパムクの経過観察を続けているとのことだ。