仏女優が授賞式で全裸に
3月12日、フランスのアカデミー賞にあたるセザール賞の授賞式にてこんな出来事が起きた。
(※この動画はYoutubeのサイトへ移動してご覧ください。)
衣装部門で最優秀賞を受賞した仏女優のコリンヌ・マシエロさん(57)は、ロバの偽革と血に染まったドレスを着て登壇したのだが、突然ドレスを脱ぎ捨てステージ上で全裸になったのである。
そんな彼女の胴体と背中には、こう書かれていた。
文化なくして未来なし。私達の芸術を返して、ジャン!
文化的場所の再開を求めるメッセージ
フランスでは新型コロナの影響を受け、昨年10月30日より劇場や映画館が閉鎖されており、今月にはストラスブール国立劇場の学生らがフランスの複数の劇場を占拠して「健康規定に準拠した文化的場所の再開」を要求する抗議活動をおこなっている。
このマシエロさんの抗議も芸術の場の再開を政府に求めるもので、ジャン・カステックス首相に向けられたメッセージであったのだ。
政府は11日に、文化産業は新型コロナの打撃を最も受けたセクターであり、その支援金としてさらに約26億円の追加支援をすると発表したばかりだった。
なお、同授賞式においては規制緩和を求める声が多く上がっており、プロデューサー兼ディレクターのステファン・ドゥムースティエさんは「私の6歳と8歳の子供はZARA(ザラ)には行けるのに映画館には行くことができません。それは理解に苦しみます。」と、買い物に行くことは許されるのに芸術に触れることはできないことに関して皮肉めいた発言をしている。
新型コロナの規制に関しては、各国の方針はあるものの線引が曖昧で地域においても異なることから、すべての国民が納得できるような指針を出すことは難しい。特にフランスのように芸術が生活に密に絡み合う国では、文化の場を取り上げられたことで多くの国民の不満が募っているのだろう。ただただ、新型コロナの一刻も早い終息を願うばかりだ。