娘のライバルを退けるために・・・
アダルトビデオに別の顔を合成する「ディープフェイク」は、女優やアイドルだけでなく、一般人もターゲットにされている。こうしたことから、しばしばリベンジポルノやフェイクニュースの温床になってきた。
その犯人の多くが男性だと考えられてきたが、なんと今回、娘を持つ母親が手を染めていたことが明らかになった。
逮捕されたのは、アメリカ・ペンシルベニア州バックス郡に住むラファエラ・スポーン容疑者(50)。
彼女はかねてより、10代の娘と同じチアリーディングチームに所属する少女の裸の動画や、飲酒・喫煙している写真をコーチに送り続けていたという。送信はすべて匿名でおこなわれ、写真や動画はすべて合成だったという。
この際に使われたのが、ネットで見つけたというディープフェイクだった。
標的にされたのは、地元ドイルズタウンに拠点を置く「ビクトリー・バイパーズ」というチアリーディングチームの3名のメンバー。一方でスポーン容疑者の娘は、母親の犯行を知らなかったといい、被害者らとは友人関係だったという。
事態は少女のうち1名の両親が警察に届け出たことから明らかになり、ほか2名の少女の両親からも報告を受けた。
被害者の父親であるジョージ・ラテルさんは取材においてこのように語る。
「わたしの娘は容疑者の娘と当初友達だったと言っていました。
しかし、容疑者の娘の素行に懸念があることから、私と妻は、娘に容疑者の娘との付き合いをやめるよう言いました。
そのあとに嫌がらせが始まったんだと考えられます。」
被害者のひとりはその時のことについて、「誰も信用してくれなかった」と苦しみを明かしている。
その後の警察の捜査で、スポーン容疑者のスマートフォンから、嫌がらせのテキストや画像の送信履歴が発見されている。中には、3月第2週に「早く死ね」という内容の匿名のメッセージを送っていたことも判明している。
宣誓供述書によると、スポーン容疑者はサイバー犯罪と嫌がらせに関連する軽犯罪で起訴されている。3月30日に出廷することを条件に保釈されているが、今のところ弁護士をつけている様子はないとのことである。