ブタっ鼻を持つ奇妙なサメ
先月、イタリア・エルバ島にある北部の町ポルトフェッライオにあるダルセナメディセア港に停泊していた海軍艦艇の乗組員が、水面に浮かんでいる珍しい生き物を発見したというのだが、その姿があまりに奇妙だと話題となっている。
その姿がこちら。
どうやらサメのようだが、一般的なサメと比較すると体が丸みを帯びておりずんぐりとした印象を受けるだろう。そして、大きな目と腫れぼったい瞼はそれだけでも奇妙だが、正面から見るとさらに衝撃を受けるのでご覧いただこう。
なんと、ブタのような鼻を持っているのである。この奇妙なサメがSNSに投稿されると予想通り瞬く間に拡散された。
絶滅危惧種のアンギュラー・ラフシャーク
のちに、このサメは突然変異などではなく、東大西洋と地中海に生息するオロシザメ科のアンギュラー・ラフシャークであることが判明した。通常は水面下約700メートルあたりに生息しているアンギュラー・ラフシャークだが、その容姿から”ブタの顔を持つサメ”としても知られているという。また、水から出すと唸り声を上げることから”ブタ魚”とも呼ばれているそうだ。
国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種にも指定されているものの、このあたりでの目撃情報はそう稀ではないという。今回捕獲されたアンギュラーラフシャークは港にある事務所で研究されたのちに処分されたと報じられており、珍しいサメが話題に上がるとともに、絶滅危惧種を安易に捕獲したことに批判の声も上がっているようだ。