2017年2月15日、89才のお婆ちゃんが天国へ旅立った・・・。
彼女の名前はノーマ・クック(Norma Cook)さん。ノーマは白血病を患っていたが高齢ということもあり昨秋から治療をやめていた。そんなノーマの介護人をしていたのが隣人のクリス・サルヴァトーレ(Chris Salvatore)さんだ。この名前に聞き覚えがある人もいるかもしれない。なぜなら彼はゲイのラブコメ映画『Eating Out』などにも出演している俳優だからだ。
2人の出会いは4年前、年の差58才なんて感じなかった
4年前、クリスがウエストハリウッドに引っ越してきたのがはじまりだった。2人の部屋は向かい合いノーマがキッチンの窓ごしに手を振ってきたのである。その後会話を重ねていくうちにノーマが10年前から白血病を患っていること、そして身寄りがないことなどを知りクリスはなんとしてもノーマの力になりたいと思ったのである。
もちろんクリスにとってノーマと過ごす時間がこのうえなく楽しかったのだという。実はクリスは自身がゲイであることをカミングアウトしている。そしてノーマの周囲にもゲイの友人が多かったため2人のフィーリングがそこで噛み合ったのであろう。そして2人は親友となったのだ。
ノーマはクリスのことを「これまで持つことができなかった私の孫のよう」だと本当に家族のように思っていた。家族写真を載せるはずのクリスマスカードさえも家族同然の2人はこんなカードを作っていた。
「最期は自宅で迎えたい」そんなノーマのために寄付金を募ったクリス
しかしノーマの病状は待ってはくれなかった。自宅でも発作などを繰り返し病院へ搬送される頻度が高くなったため入院することになったのである。病院で看護されるようになってからノーマの容態はよくなったが貯蓄のないノーマにとって医療費を払う余裕はなかったのだ。そしてノーマの願いは「最期は自宅で愛猫エルメスと過ごしたい」というものだった。
そこでクリスは寄付金サイトGoFundMeを利用してノーマが自宅で24時間体制で看護が受けられるための資金を募ったのである。すでに受付は終了しているが最終目標金額が600万円だったのに対し770万円の寄付金が寄せられている。知名度のあるクリスが発起人だったからこそ集まった金額だろう。そしてノーマは自宅へ帰ることができたのだ。
しかしそんな2人の時間にも終止符が打たれようとしていた。そして最期の時間も2人は一緒に過ごしたのである。ノーマが天国に召されたあとクリスはこれまで支えてくれた人たちに感謝の意を述べた。この人生においてここまでの親友とよべる人に出会えた2人はとても幸運だったのではないだろうか。年の差など関係ない、本当の親友のあるべき姿がここにあったのだ。
参照元:Instagram