トラックと埋葬してほしいと頼む
今月、メキシコ・バハカリフォルニアスル州プエルトサンカルロスで、不治の病とたたかっていたドン・アダン・アラナさんという男性が亡くなった。
生前、アラナさんは息子さんからトラックをプレゼントされたというが、そのときすでに余命わずかで残された時間はあまりなかったためにトラックに乗る機会はほとんどなかったそうだ。
そんなアラナさんの願いは、死後の世界でこのトラックに乗りたいというもの。
その思いを家族に話し、自分が死んだらトラックとともに埋葬してほしいと頼んだ。そして、アラナさんが辛い闘病生活を終えこの世に別れを告げた後、遺体はトラックとともに埋葬されたのである。
MUERE Y LO ENTIERRAN CON SU PICK UP
En San Carlos, BCS, Adán Arana uno de los pioneros de la pesca en el municipio de…
その様子はメキシコメディアが報じており、レンガで囲われた墓にクレーンを使ってトラックを降ろし、その荷台にアラナさんが眠る棺が置かれた写真はメキシコのSNSで拡散されたという。
しかし、家族がこの異例の葬儀をおこなうことに何の許可もとっていなかったことから、何らかの罰金が課される可能性があるとコミュニティーの代表は話している。
メキシコでは、愛する人の最後の願いを尊重することは非常に重くとらえられており、家族もそんなアラナさんの気持ちを第一に考えてこのような葬儀の方法を選んだのだろう。今はただ、大切な人を亡くしてしまった家族を、そしてアラナさんが安らかに眠れるよう静かに見守ってあげてほしいものだ。