対戦校から女子選手に性差別
11月8日、米ペンシルベニア州にあるマーズ高校のアイスホッケーの試合に800人以上の地域住民らが駆けつけるという異例の事態が起きた。そして、その理由は一人の選手に声援を送るためだったという。
同校でチーム唯一の女子選手であるエイミー・ヒュダックさんはゴーリー(ゴールキーパー)としてチームを支えているのだが、 先月28日にピッツバーグから約1時間ほど離れた対戦高校のアリーナでおこなわれた試合でとんでもない仕打ちを受けることとなった。
対戦校であるアームストロング高校の生徒らから性差別的な言葉で罵声を浴びせられたのだ。ショックを受けたエイミーさんはそのままリンクで泣き崩れてしまったという。
エイミーさんを応援するため会場は満員に
事情を知った地域住民らは女性アスリートへのサポートを示そうと8日の試合に足を運んだのだが、会場に入れない人も出るなど想像を遥かに超える人数が集まった。スタンドには「女の子は最強」「あなたは一人じゃない」などというメッセージを掲げる人もいたようだが、彼らの声援がどれだけエイミーさんを支えたことだろうか。
今回の事態を重く受け止めた連盟は、アームストロング高校のチームに対し2021年から2022年にかけての残りの試合への参加を禁止する処分を下し、教職員には今後すべての対外試合への引率、そして生徒らを監視することを義務付けた。
なお、この日の会場に入れなかった人がいたと報じられたことから、地元NHLのピッツバーグ・ペンギンズは800人以上のファンをホームアリーナの試合に招待したそうだ。一人の女性アスリートを応援したいという地域住民の気持ち、そしてそんなコミュニティーに感謝したいというプロチームのそれぞれの思いがこの地域を支え合っているのだろう。