ラクダが美容整形!?
毎年冬、サウジアラビアではラクダの祭典「アブドルアジズ国王 キャメル・フェスティバル」が1ヶ月にわたって開催されている。その中で最も注目を集めるイベントが、ラクダの美しさを競い合うビューティーコンテストである。
このイベントでは最も美しいラクダの飼い主に多額の賞金が授与されるというが、今年の賞金の総額はなんと62億円に到達。
そのせいか、不正をしてでも勝とうとする不届き者が続出しているという。
米紙「CBSnews」によると、今年12月、大量のラクダが美容整形をされていたことが明らかになり、43頭のラクダが失格になるという事態になったという。
ラクダに施されていたのは、人間のシワ取りなどに使われる”ボトックス注射”や”フェイスリフト”をはじめとした美容整形術。もちろん、こうした整形はコンテストにおいて固く禁じられており、2018年にも12頭が失格となっていた。
今年取締られた43頭のラクダには、筋肉を強化させるホルモン注射や、頭と唇を大きくするボトックス注射、コブを輪ゴムで縛り付け大きくするなどの方法をさせられていたという。
これに対しサウジ当局は「ラクダの美を偽装する全ての行為を阻止する」と強い姿勢をとっており、また主催も「不正を行ったものには厳しい罰則を科す」と述べている。
ラクダフェスティバルは、現代のサウジアラビアにおいて、伝統と歴史を受け継ぐための大きな役割を担っている。ほとんどラクダが乗られなくなった今でもなお、ラクダの繁殖は数億円規模の産業として残っており、サウジ各地で同様のイベントが行われているという。
賞金目当てに動物にメスを入れることは虐待に他ならないだろう。記事内では言及されていなかったものの、「ラクダがかわいそう」という声はSNSで多数上がっていた。