AIの日常生活への浸透が進んできている。日本においても、ヘルプセンターのAIチャットボットなどで触れ合う機会も増えてきた。個人的に効果には少々疑問を感じるものの、企業側から見たら有益な点も多いのであろう。
さて、AI先進国(のように見える)中国で、とある企業が昨年末、2021年の年間最優秀従業員に「AI社員」を選定したと発表、話題と議論を呼んでいるようだ。
AIのお仕事内容は不動産会社の債権回収
年間最優秀従業員の栄誉をあたえられたのは、中国の不動産会社ヴァンケグループの従業員Cui Xiaopanさん。
China’s property developer Vanke bestowed the honour of “2021 Vanke Headquarters Outstanding Newcomer Award”to the software robot named Cui Xiaopan, represented by a lifelike female avatar. #robot #AI pic.twitter.com/zS0KgVytQb
— Techitout (@techitouttt) January 21, 2022
なかなかの美女ですが、そこはかとなく漂う違和感・・。
そう、彼女こそヴァンケ社の誇る「AI社員」なのである。
この写真はAI生成されたもので一種のパフォーマンス。しかし、AIを活用した債権回収アルゴリズムの実績は、かなりの差で人間の社員を上回り、延滞金の回収で91.44%の成功率を記録したとのことだ。
体系的なアルゴリズムのサポート下で、彼女は作業手順とデータの問題を発見するための人間の方法を迅速に学び、人間の数十万倍のスキルを発揮した。
と、ヴァンケ社の取締役会会長であるYu Liang氏は述べている。
ちなみに、以前edamame.でもAIアナウンサーがデビュー!?という記事をお伝えしたが、中国はAIを「仮想人間」的な表現にするのが好みのようだ。人型ロボットに多大な情熱を注ぐ日本とはまた違った方向性で面白いですね。
反応は?
この会社の発表を受けて、ネット上の反応は複雑なようだ。
AI技術を称賛する人も中にはいるが、労働者をもっと大切にすべき、たかがコンピュータープログラムを社員扱いするのは間違い、という声も多い。
さて、この記事でもっとも気になるのはヴァンケ社の「人間社員」の反応なのであるが、それについては特に情報が得られなかったのが残念だ。
発表後、債権回収率を超えるペースで離職率が急上昇を記録していないか心配である。