【走馬灯なのか?】死の瞬間の脳波が偶然計測され、死にゆく人の脳に起きている事が判明する驚きの事例が!

健康

ほんのちょっとした偶然が科学の進歩に寄与するという例はままある。
麻酔やペニシリン、ペースメーカー等も偶然の産物として生み出されたという話は聞いたことのある方も多いだろう。こういった事例を表す「セレンディピティ(Serendipity)」という言葉も広く知られている。
今回の事例もそんな内の一つとなるかもしれない。

脳波測定中に患者が急死

カナダ・ブリティッシュコロンビア州のバンクーバー総合病院での事例だ。
てんかん治療の為に脳波を測定していた87歳の男性が、測定中に突然心臓発作を起こして死亡、偶然にもその前後15分間の脳波が記録が取れてしまったのである。

研究者たちはこの脳波記録を分析したところ、患者の最後の心拍の前後30秒で非常に特異的な脳波の増加が見られたという。
”ガンマ振動”というこの脳波は、記憶の回復、瞑想、夢のようなものに関連していると言われている。

脳波記録が示唆するものは、走馬灯?

てんかん患者の一例というだけで、さらに多くの研究を行う必要があるとの前提であるが、研究内容にはこんな内容が示されている。

この脳波は人間が死ぬ瞬間には過去の思い出の映像、いわゆる「走馬灯」が脳内で再生されている可能性がある。さらに、死に際して活性化された脳の部分は、瞑想に似た感じの平和な夢のような状態に入っていることを示唆している。

同様の脳波の変化は、ラットを使った動物実験でも見られていたものだという。

Frontiers in Ageing Neuroscience誌に掲載された研究内容を主導したルイビル大学医学部脳神経外科アジマルゼマー博士は、次のように述べている。

「これらの調査結果は、人生がいつ終わるかについての私たちの理解を深め、臓器提供のタイミングに関連するものなど、重要な内容の決定に寄与する内容を含んでいる。」

参照元:Frontiers in Ageing NeuroscienceTheSun

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ひろしげ

海外渡航経験はハワイ、イギリス、ニュージーランド。大陸に憧れと恐れを抱く典型的島国の人です。趣味は大仏巡り。牛久大仏を擁する茨城県が魅力度ランキング最下位というのは納得できない。

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