先月の27日、奇妙な音声に関する映像がTikTok上で拡散された。
この映像を鑑賞した人は、現実と自分の感覚のズレに奇妙さを感じるようだ。ぜひ音声を聞きながらご覧頂きたい。
@orangeshortsgang Watch it twice and try both words 😳 (Hit the + sign of it worked) #trythis #mindblown #mindtrick #greenneedlebrainstorm #mindgames #psychologytricks ♬ Shoutout to the dead creators using this for likes – Will
”グリーン・ニードル!” or ”ブレインストーム!”
この映像には、効果音によって変化した奇妙な声で「green needle」または「brainstorm」という単語が使われている。
映像の「green needle」を見ながら、この声を聴くと、”グリーン・ニードル!”と聞こえる。
今度は「brainstorm」を見ながら、この声を聴くと今度は、”ブレインストーム!”と聞こえるというのだが・・。
・・筆者は全く”ブレインストーム!”とは聞こえなかったが、皆さんは如何だろうか?
ネイティブスピーカーの方々が聞くと全く違って聞こえるのだろうか。
この映像は現時点で300万回以上再生されている。
言語科学的説明によると
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の言語科学教授ヴァリエ・ハザン教授によると、この現象はこう説明できるそうだ。
グリーン・ニードルを “考える “とその単語が聞こえるが、ブレインストームを “考える “ともう一方が聞こえるのです。
特定の単語について、期待されるパターンと一致する音響パターンを理解するよう脳はプログラミングされているのです。低品質やノイズのためにいくらか曖昧な音響信号に直面したとき、あなたの脳は聞こえてくるものと期待される単語との間の最適化を試みる。これによって同じ音でも違うように聞こえてくる現象が起きる。
リスナーは「緑の針」や「ブレインストーム」という言葉を聞いているわけではないが、低品質の音声のために目に見えるものからそれらの言葉を脳内で補正しているわけだ。
「多くの人は見たいと欲する現実しかみていない」という言葉があり、そういう困った人に遭遇することは結構あるものだが、こういった脳の作りの影響のせいと考えることも出来るかもしれない。
こういった空耳的(?)クリップは、2012年に放映された人気テレビ番組「ベン10エイリアンフォース」のおもちゃのレビュー動画が発端らしい。おもちゃのスピーカーが発した「ブレインストーム」という音声を「グリーンニードルにしか聞こえない!」と戸惑った人が沢山いたそうだ。2018年にも同様のマインド・トリックを用いた別のクリップがあり、そこでは「ヤニー」と「ローレル」という別の言葉が聞こえる人に分かれた。クリップの視聴者が検討した結果、音の低周波を拾った人は「ローレル」、高周波を感知した人は「ヤニー」と聞えるという結論となったそうだ。
他の言葉が聞こえた人も
ちなみに、この映像を聴いた人の中には、”フーターズ!”という音が聞こえたと言うリスナーもいたようだ。
これは、画面に表示された言葉ではなくウェイトレスの服の胸に書かれた「Hooters」という文字を読んだからではないか?というのがハザン教授の説明である。
このリスナーは、指を指した所とは別のところに目が行ってしまった訳だ。気持ちはわかります。