【時代はまわる】三世代に受け継がれた手作りのウェディングドレス。その八十一年に渡る長い物語。

カルチャー

キャシー・キールは、2020年9月に夫タイラーと結婚した。
その時、彼女が着用したウェディングドレスは曾祖母が八十一年前の結婚式で着用したものだった。そして、彼女の母親も二十九年前の結婚式でこのウェディングドレスを身にまとった。
元は1939年に曾祖母の姉妹が手作りしたこのウェディングドレスは、八十一年に渡り一族の幸せな瞬間を演出したのである。

先月の20日にアメリカWebメディア「Insider Life」が伝えたこの3枚の写真は、時代の移り変わりを鮮やかに切り取っている。

時代によって変わったもの、変わらないもの

1939年、キャシーの曾祖母エヴリン・スパダフィノの結婚式で披露された初代ドレスはハート型のネックラインと長くタイトな袖を特徴としている。
このドレスは1930年代にニューヨークでお針子として働いていたスパダフィノの姉妹が手作りしたものだそうだ。結婚式当日、スパダフィノはこのドレスにヘッドピースをつけ、大聖堂のような長さのベールを身につけた。

時は過ぎ、エヴリンは孫娘のアネット・グリーンが婚約する数年前にこのドレスを彼女に譲った。孫娘は婚約する何年も前から祖母のドレスに憧れ、結婚式で身にまとうことを夢見ていたそうだ。

1991年、キャシーの母アネット・グリーンはウエディングドレスをダイアナ妃風に大胆に仕立て直し、結婚式に臨んだ。

結婚式に祖母が出席してくれて、ドレス姿を見せることが出来たのは幸せだった。祖母はとても喜んでくれていました。

とアネットは語る。

私はこのウェディングドレスが大好きでした。実は、娘のために仕立て直す前、最後にもう一度着てみたの。

とも。



家族の歴史を受け継ぐ

エヴリンのひ孫、グリーンの娘のキャシー・キールはこのドレスのどこを変えたいのかはっきりと分かっていた。
キャシーは母の要望を聞きながらも、袖や背中のリボン、スカートのレースを大胆に取り外して自分だけのドレスに仕上げた。ノースリーブにしたが、母が着ていたときのコルセット風のボディはそのまま。

その仕上がりに、私は驚きました。私のウェディングドレスに対するビジョンは実現しないのではないかと疑っていました。でも素晴らしい仕立屋さんが、私の夢を叶えてくれた。

2020年、結婚式で彼女が身につけた家宝は八十一年の歴史を持つドレスだけではなかった。母親の婚約指輪を使って両親がつくったダイヤモンドのネックレス、曽祖父のものだったハンカチ、そして母親版のウェディングドレスの袖をブーケに巻いた。

屋外での披露宴のためにドレスのスカートをピンで留めたが、かなり汚れてしまったそうだ。彼女は母親と同じように結婚式の後、ドレスをドライクリーニングして保存してもらったそうだ。

ドレスの今後は

現在、キャシーさんは2人の男の子の母親となった。しかし、これ以上子供を作る予定がない今、キャシーはウェディングドレスを未来の娘に受け継がせる計画に変化が生じたという。

今、このドレスをどうするかは岐路に立たされています。でも、絶対に将来に受け継がせたいと思っています。もしかしたら、未来の孫娘のために取っておくかもしれません。

このウェディングドレスが受け継がれてきた長い間、世界には戦争や災害など多くの悲しい出来事があった。しかし、このウェディングドレスはそれを乗り越え世代を超えて受け継がれ、幸せな時間を演出する役割を果たし続けてきたのである。
今後も末永く受け継がれてゆくことを祈りたいものだ。

参照元:InsiderTwitter

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ひろしげ

海外渡航経験はハワイ、イギリス、ニュージーランド。大陸に憧れと恐れを抱く典型的島国の人です。趣味は大仏巡り。牛久大仏を擁する茨城県が魅力度ランキング最下位というのは納得できない。

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