先週末2日、イギリス・マンチェスター空港は乗客がチェックインカウンターに大行列をなし、床には放棄された荷物が散乱するといった大混乱に陥る事態となってしまったようだ。
動画でその様子をご覧頂きたい。
2月24日のコロナ規制全廃以降、空港は混乱
イングランドでは2月下旬にコロナ規制制限が全廃されるや人々は空港に押し寄せた。しかし、それに対応する空港側スタッフが不足していたことが今回の事態の原因のようだ。今週末だけに限らず規制全廃以降、空港のこの傾向は多かれ少なかれ継続しているらしい。
ある女性は3時間並んだにもかかわらず、ロックダウン後初めて母親に会うためのフライトを逃し、別の旅行者は空港で利用客とスタッフが泣いているのを見たそうだ。
遅延はセキュリティチェックだけにとどまらず、乗客は手荷物受取所でも何時間も待たされることになってしまった。
土曜日の夜、手荷物受取所で荷物を待っていた60歳の女性はこう語る。
「何日も前の荷物がそこらじゅうにある。」
「ベビーカー、チャイルドシート、ゴルフクラブ、スーツケースが放置され、昨日から散乱している。誰もそれらを管理していない。ただ放置されているだけです。」
スタッフ不足さらには予測の甘さ
マンチェスター空港の広報担当者は遅延の原因をスタッフ不足としているが、空港のパット・カーニー評議員は
空港の復旧対応を完全に見くびっていた
2月には200万人が空港を利用した。その前年は7万人でしたから、前もって計画を立てなければならなかった。このような事態は想定できたはずだ。旅行需要の回復が非常に早く、集中することを予測するべきだった。
マンチェスター空港の広報担当者は、報道機関に向けて次のように語った。
「マンチェスター空港は、この週末の体験が私たちの目指す水準を下回ってしまった事を乗客に謝罪します。私たちは、お客様と同僚の安全とセキュリティを常に最優先することをお約束したいと思います。」
「私たちの業界全体が、歴史上最も不幸な2年間を経て、現在人材不足と採用難に直面しています。2年ぶりにすべての旅行制限が解除され、イースターの旅行シーズンの開始と相まって、乗客数が急増し、我々の業務に多大な負担をかけてしまった。」
第6波収束前に第7波に入る可能性が出てきた日本ではまだまだ先の話と言えるかもしれない。しかし、遅かれ早かれイングランドのような事態が起こる懸念がないとも言えない。
日本人の国民性からして、ここまでの事にはならないに違いないが、この事例を他山の石とし対応を検討しておく必要はありそうだ。