このほど、ブラジルである珍しい手術がおこなわれ、その研究内容が注目を集めている。
それは、2つあるペニスのうち、一方を切除するというものである。
生まれつきペニスが2つあったその男児は現在2歳になっており、このほどようやく片方のペニスの切除手術に成功したという。
大きい方のペニスを切除した理由
この先天性欠乏症は500〜600万人に1人に発症する極めて稀な疾患で、陰茎重複症と言われている。同じ大きさのものがついているケースもあれば、異なる大きさのものがついているケースもあるといい、この男児の場合は後者であった。
通常ならば小さなペニスの方を取り除くようで、医師もそのつもりで準備をしていたという。だが、男児の母親のある言葉によってその決断は覆ることとなる。
実は、男児は小さなペニスのほうでしか排尿ができなかったようで、尿道が狭すぎたために大きなペニスのほうでは排尿ができず、正しく機能していなかったという。
そして、この重要な情報をもとに、医師は男児の2つのペニスのうち、大きな方を切除することにしたのである。
これまでに100例ほどしかない稀な疾患
今回の手術の研究は、『Journal of Pediatric Urology』に掲載されたというが、先天性欠乏症であったにもかかわらず、なぜ手術までにこれだけの時間を要したのか疑問が投げかけられているようだ。
陰茎重複症については、1609年にスイスのヨハネス・ヤコブ・ウェッカー医師によって初めて報告されたというが、これまでにも100例ほどしかない。
Being born with extra or “supernumerary” penises is rare, occurring once in every 5-6 million live births. Diphallia (2 penises) has been reported previously–but the first case of triphallia (3 penises) was just documented. https://t.co/CigY9hMuKq
— Justin Lehmiller (@JustinLehmiller) May 21, 2021
昨年、イラクでは3つのペニスを持つ男児が世界で初めて報告され、その後2つのペニスを切除する手術を受けている。1年経過した今も健康状態は良好だというが、思春期のあいだ、そして結婚前には健康診断を受け続ける必要があるという。
今回切除手術をしたこの男児もしばらくは経過観察が続くようだが、大人になって大きなペニスを切除されたことを知った時、少しばかり複雑な気持ちになるのは致し方ないだろう。