2013年1月、ブラジル・リオデジャネイロで30年間迷子になったカメが屋根裏部屋で発見される、というニュースがあった。
そのカメは発見されてから後、約10年を経た今も元気にカメとしての生活を送っているという。
その様子がアメリカの動物系ニュースサイト「the Dodo」で報じられ話題となっている。
下記は発見された際の様子だ。
家の改築中にカメが迷子に
ブラジル・リオデジャネイロ在住のナタリエ・デ・アルメイダさんは、母親から1980年代初頭に彼女が飼っていた”マヌエラ”というペットのカメの悲しい話を聞いていた。
この”マヌエラ”は、アルメイダのお母さんが8歳だった1982年のある日、突然家から姿を消した。
この時、家は改築中だった。工事施工者が門を開けたままにしていた際、”マヌエラ”が門から出てしまい迷子になった、と家族の間では思われていた。
この事件はアルメイダさんの母親に心の痛みとして残ったが、時が流れ”マヌエラ”のことは家族の間では忘れ去られたという。
30年後に屋根裏部屋で発見
それから30年の時がたった。
2013年にアルメイダさんの祖父が亡くなり、アルメイダさんの家族達は母親が幼い頃住んでいた実家に集まり、祖父の所有物を整理することとなった。
祖父には電子機器や電子部品を収集する癖があり、それらの物は実家の屋根裏部屋に山積となっていたという。
部屋が片付けられ、仕分けのためにあるスピーカーが移動された時、誰かが何か奇妙なことに気がついた。
なんと古い木製のスピーカーの箱の中に、カメがいたのである。
それこそ30年前に姿を消したカメ、”マヌエラ”だったのである。
”本当に驚きました!”
”母は信じられないと泣いていました。マヌエラが見つかったんです!”
驚いたことに”マヌエラ”は屋根裏部屋に閉じ込められ、そこで30年間生き続けていたのである。
リオデジャネイロの獣医のジェフェルソン・ピレス氏は、カメがもつ驚異的な耐久力を以下のように説明する。
「過酷な状況下においても、カメは何も食べずに2〜3年は生きていることができます。野生のカメは果物、葉、糞便、死んだ動物などを食べている」
アルメイダさん達一家は、”マヌエラ”は30年の間、シロアリの幼虫を食べていたと考えている。
現在は三世代を楽しませている
この後、アルメイダさんが”マヌエラ”を引きとった。
発見されてから約10年、行方不明になってから40年たった現在、”マヌエラ”はいたって元気であるという。
ちなみに発見後、このカメは”オス”と判明したので現在は”マヌエル”と改名されている。
母は毎週”マヌエル”と会いに家へやってきます。”マヌエル”が私と私の娘と一緒にいるのを見て嬉しく思ってくれています。
とアルメイダさんは語る。
”マヌエル”は今も元気に家の中を歩き回り、アルメイダ家の三世代を楽しませているという。