子供が目を離したスキに”おいた”をしてしまうのは良くある事である。場所がおもちゃ屋ならなおさらの事だ。
しかし、中国・香港のおもちゃ屋はその”おいた”に対して33,600香港ドル(約55万円)もの賠償を要求したという。
事件のあらましが収められた監視カメラ映像は瞬く間に拡散され、その是非について議論を呼んだ。
早速ご覧頂きたい。
壊したキャラクター像の値段は・・
先週日曜日の夕方、香港・旺角のランガムプレイスモールにあるおもちゃ屋”KK Plus”は大変混雑していた。
ある5歳の男の子が高さ1.8メートルの「テレタビーズ」に登場するキャラクター”ラーラ”像に軽くもたれかかった。
とその瞬間、その大きな像は倒れ、壊れてしまった。首はもげ、両腕も外れる派手な壊れ方である。
(ちなみに、「テレタビーズ」は、英BBCで1997年3月から放送され、120カ国以上の国で視聴されている幼児向けテレビ番組である。)
この男の子の父親は、ちょうどその時、電話を取るために男の子から目を離していた。
父親は”KK Plus”のスタッフから
”男の子がこの人形を蹴った”
と言われたそうである。
彼は、”それは息子が悪い”と責任を認め、店側から請求された33,600香港ドル(約55万円)を支払った。
売値は52,800香港ドルのところ原価にディスカウントした額だそうだが、おもちゃとしては凄まじい額だ。
店員の証言と大きく異なる事件の映像
そののち、どこからかこの事件の映像がSNSに投稿された。
父親はその映像を確認して、息子が誤って告発されたかもしれないことに気づいたそうである。
その後SNSで幅広い議論が巻き起こった。
おもちゃ屋が父親を騙したと非難する人、人形に子供が近づくのを防ぐ措置を店側すべきだったと述べる人、このおもちゃ像がそんな高額なはずはないという人、いや両親が息子を注意深く見守るべきだったと言う人など多くの意見が交わされた。
議論の拡大を受けて店は請求額を返還
この事態を受け、おもちゃ屋”KK Plus”は全額を父親に返還するとともに、以下のような声明を出した。
テレタビーズ人形の小売価格52,800香港ドルには、著作権、デザイン、輸送、その他の料金に関連する費用が含まれていて、当社は商品の販売価格以上の請求はしなかった
また、人形は昨年11月から同じ場所にあり、「顧客に何の不便ももたらさなかった」と述べた。
さらに同社は「この経験から学び、同様の事件が二度と起こらないようにする」と付け加えた。
子供の頃に展示物や貴重なものを壊してしまった、ということはどんな方も苦い思い出としてお持ちではないだろうか。
子供が注意力散漫なことは当たり前の事。
社会も親も子供の周囲はそれを前提に暖かく見守ってあげたいものだ。
この男の子が今回の事件で傷つくことがなく、健やかに育つことを願いたい。