連帯責任の末にICUに搬送された少女
5月11日、マレーシア・ジョホール州クライのフーンユー高校で起きた出来事が波紋を呼んでいる。
この日、宿題を忘れた生徒らがいたというが、その連帯責任としてクラス全員がバレーボールコートのまわりを走らされたという。体育教師は生徒らにマスクをつけさせたまま30周も走らせたというのだが、気温が高いマレーシアでそのような状況を強いられるのはかなり酷だったに違いない。
1人の少女(15)は15周ほど走ったところで体調不良を訴えたが、残り15周を歩いてでもこの罰を終える必要があった。しかし、そんな無理がたたったのか、帰宅した少女の心拍数は200を超えておりすぐさま病院に搬送されたのだ。
M'sian girl, 15, sent to ICU after teacher made class run 30 laps as some students didn't do homework https://t.co/hsO7vGTWaJ pic.twitter.com/sjxVVFuRTE
— Mothership.sg (@MothershipSG) May 19, 2022
その後、ICU(集中治療室)で治療を受けたという少女のこの写真を母親がソーシャルメディア上に投稿したことで、体育教師や学校には非難の声が相次いだという。
当初、母親は今回の件において学校長との面談を希望していたというが、学校側からはこの問題はすでに解決済みであること、そしてマスクの装着は強要していなかったとの回答だけが返ってきたそうだ。しかしながら、母親はクラス全員がマスクの着用を強要されていたと娘から聞いており、また宿題をしていたにもかかわらず他の生徒のせいで全員が連帯責任を負わされるのは不公平であると主張したことで、18日、教師と校長は改めて少女の両親と話し合いの場を設け、そこできちんと謝罪したとのことだ。
昔は連帯責任というものは特に珍しくなかったが、今では時代錯誤ということだろう。コロナ禍においてのマスクの着用も学校側がどこまで強制するべきなのか、臨機応変に考える必要があるのかもしれない。
参照元:Twitter、mothership