中央アジアの北部に位置するキルギス共和国(別称キルギスタン)。
ここで観光客が遭遇した災難を写した動画が現時点で1千万回を超えて再生され話題だ。
たった50秒弱の動画だが、数秒で激変するその様子は衝撃的。早速ご覧頂きたい。
雪の塊がゆっくりとこちらへ向かってくる恐怖
この災難に遭遇したのはイギリス人9人とアメリカ人1人、計10人のツアー客。彼らは当日、キルギスと中国の国境付近に広がる天山山脈のガイド付きツアーに参加していたという。
トレッキング中の最高地点に到着したところで、撮影者は丘や崖の端で写真を撮るためにグループから離れた。
写真を撮っていると、背後でぶ厚い氷が割れるような音がしたという。
空は抜けるように青い。岩の間を遠方から雪の塊がゆっくりとこちらへ崩れてくるのが見える。
はじめの数秒はスローモーションのように時間はゆっくりと進む。現実感がまるで感じられない。
しかし、ものの10秒もすると事態はすでに危機的なことが理解できる。
すさまじい量と勢いの雪が撮影者へ向かって差し迫ってきているのだ!
撮影者はすぐそばに避難場所があることは知っていたという。しかし、彼はこの時、崖の淵に立っていて動くことが出来なかったそうだ。
事態はあっという間に悪化、雪は彼の目の前へ。そして画面は暗くなった。
幸運にも撮影者は無傷だった
しかし、幸いなことに彼は無傷だった。
彼は岩の裏側に入り込んだ。そこはまるで吹雪の中にいるような感じだったそうだ。
うっすらと雪の粉がついただけで、傷ひとつなくやり過ごすことが出来たそうだ。
彼以外の他のメンバーは雪崩から離れたところにいたが、一人は膝を切り、もう一人は落馬して軽い打撲傷を負った。
被害がこの程度で済んだのは、信じられない程の幸運だったと撮影者は語っている。
投稿された動画には、「うわー、まさかカメラまで雪が到達するとは!初めは全然そんな風には見えなかった」、「母なる自然を前にすると私たちがどれほど小さいかに思いが至る」「映画みたいだ。これを体験させてくれたカメラマンに感謝します」、「こんな状況でよく撮影できたね。彼は幸運だったよ。」等々、雪崩の恐ろしさと共に、撮影者を称える声も多くある。
我が国、日本も世界に名だたる豪雪地域である。季節外れではあるが、改めて雪崩に流されてしまった場合に取るべき行動について、下にまとめてみた。(政府広報オンラインより抜粋)
・雪崩の流れの端へ逃げる。
・身体から荷物をはずす。
・雪の中で泳いで浮上するようにする。
・雪が止まりそうになったとき、雪の中での空間を確保できるよう、手で口の前に空間を作る。
・雪の中から、上を歩いている人の声が聞こえる場合があるため、聞こえたら大きな声を出す。
さらに、もしも雪崩の前兆を発見した場合は決して近づかずに、最寄りの市町村役場や警察署、または消防署へすぐに通報していただきたい。
真夏の盛りではあるが、この動画をきっかけに是非頭の片隅にでも置いていただければと思う。