鉱山で電欠し立ち往生した電気自動車。炭鉱労働者に助けられて充電場所まで手押しされる様子が話題に

テクノロジー

電気自動車が炭鉱で立ち往生

アメリカのとある鉱山で、少し皮肉めいた出来事が起こり話題となっているようだ。

今月の2日、ワシントンDCからウェストバージニア州へ観光でやってきた二人の観光客。彼らの運転していた電気自動車が”コリドー鉱山”への道路でバッテリー切れとなり立ち往生してしまった。

その様子を発見した心優しき炭鉱労働者たちは、使い物にならなくなった電気自動車を手押しして充電できる場所まで運んであげたという。

この内容は地元タッカー郡州上院議員で共和党のランディ・スミス氏がFacebookに投稿したもの。事件はウエストバージニア州デイビスから数マイル離れたメティキ炭鉱へのアクセス道路付近で発生したそうだ。

「今日私たちの鉱山で、ワシントンDCから来た旅行者の電気自動車が炭鉱への道路入口付近でバッテリーを使い果たしました。」

とスミス氏は書いている。

この電気自動車は運搬道路の真ん中で立ち往生していたため、入ってくる作業車の交通の妨げにならないよう対応は急を要した。
しかし、この車の車底部分は全てプラスチックで引っ掛けるものがないためレッカー車では動かせなかったという。
そして、数人の炭鉱労働者がすぐに救助に駆け付けた。

結局、この写真のように5人の炭鉱労働者が運転手を助け、充電できる場所まで車を手押しして運ばざるを得なかった。道路は坂となっておりとても大変そうだ。坂を上った先には、石炭の備蓄所と積み出しが写っている。

昨今、電気自動車は石炭や天然ガス・石油などの天然エネルギー資源から再生可能エネルギー源への移行の象徴的存在であるかのように喧伝されている。
この写真はその喧伝を皮肉めかしているようにも見え、アメリカで話題となった。

電気自動車はまだ実用的ではない?

電気自動車については「テスラ礼賛」スタンスの報道が日本では多く、アメリカでは電気自動車の普及が進んでいるかと思いがちである。

しかしアメリカの世論調査会社「ラスムセン・レポート」の最新調査によると、”電気自動車は実用的である”と考えているアメリカ人は全体の28%にすぎないそうだ。54%の人は電気自動車はまだまだ実用的ではないと考えており、18% はわからないと回答してるという。
今回の件もそんなアメリカ人の電気自動車に対する姿勢が垣間見れて興味深い。

考えてみれば、日本とは比べ物にならない長距離移動を車で行うのがアメリカである。今回は”心優しい炭鉱労働者たち”が駆けつけてくれて事なきを得たが、そうでない場合バッテリー切れは命に係わる場合も多い。

いずれにせよ、まだまだ電気自動車のさらなる普及には課題も多いようだ。

なお、炭鉱労働者たちはこの電気自動車ドライバーに「Friend of Coal(石炭は友達)」のナンバープレートをプレゼントし、家に持ち帰ってもらったとのことだ。

参照元:breitbart.comFacebookrasmussenreports

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ひろしげ

海外渡航経験はハワイ、イギリス、ニュージーランド。大陸に憧れと恐れを抱く典型的島国の人です。趣味は大仏巡り。牛久大仏を擁する茨城県が魅力度ランキング最下位というのは納得できない。

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