不気味すぎる赤ちゃん人形と運命的な出会い
アメリカ・フロリダ州グローブランドに住むビアード・ブリタニーさんは、ハロウィーンを心から愛する33歳の母親。彼女は娘たちを連れて定期的に地元の”スピリット・ハロウィーン・ストア”を覗き、次のハロウィーンの構想を練ることを習慣としている。
彼女の3歳の娘・ブライアちゃんは、不思議なことにチュチュやティアラなどの可愛い装飾品には全く興味がなかった。
しかし、8月の下旬にそのストアでブライアちゃんは運命的な出会いをした。なんと、彼女が目をつけたのはこの悪魔のような顔をした人形だった。
“私は不気味なものが好きではない。グロいのは苦手なの”
とビアードさんは言う。この赤ん坊の人形の皮膚はボロボロに裂かれていて、目は黒くくぼんでいる。そしてボタンを押すと瞳が赤く光り、不気味に笑う。
“間違いなく、今まで見た中で最も不気味なおもちゃです”
しかしブライアちゃんはこの人形の”とりこ”となってしまった。
ビアードさんは、たとえ自分の趣味と正反対であっても、娘の趣味を尊重したいと思ってその人形を買ってあげた。しかし、それを買ってすぐに後悔したという。
”ブライアがこの人形に夢中になり、どこにでも持っていくようになるとは思ってもみなかった”
とビアードさんは言う。
ブライアちゃんはその子を「クロエ」と名付けたが、ビアードさんは「クリーピー(不気味な)クロエ」と呼ぶ。それ以来、ブライアちゃんは「クロエ」と常に一緒だ。
眠るときはもちろん、外に出るときも「クロエ」を離さない。ディズニーランドへ行ったときは、シンデレラのドレスを着せておめかしして一緒に出掛けた。
ビアードさんは人々がこの不気味な人形に驚き、怖がり不快感を与えることになるかもと考えていた。しかし、意外なことに見知らぬ人々の反応は大変”好意的”。
とあるカフェで家族で朝食を食べていると、ハロウィーン好きのペストリーシェフがブライアちゃんに不気味なデコレーションをほどこしたカップケーキとお化け屋敷のチョコレートプラカードを作ってくれたこともあったという。
行った先々での反応があまりに良いため、ビアードさんはブライヤーちゃんと「クロエ」の写真をSNSに投稿してみた。すると、多くのメディアで取り上げられ拡散、取材が殺到するなど注目を集めた。
確かに、ブライアちゃんと「クロエ」のツーショット写真には何とも言えない不思議な魅力がある。
”ライナスの毛布”かそれとも
子供が人形や玩具を離さずに持ち続ける行為は「安心毛布」「ライナスの毛布」と言われよくある事ではある。幼児は何かに執着することで安心感を得ていると言われている。ただ、成長するにつれその執着からは離れていく。
”子供の頃のあの執着は何だったんだろう?”という感慨にふけったことのある人は多いだろう。
今回のブライアちゃんの執着もその類のものと言えそうだが、ビアードさんは異なる意見を持っているようだ。
「あの写真がこんなに拡散するなんて・・・。これが世界征服のための”不気味なクロエ”の計画だったのではないかと心配してます」
「”不気味なクロエ”はブライアの『かわいさの力』を使って、その足場固めをしようとしているのです」
と冗談めかして、親バカな見解を披露した。ともあれ、ブライアンちゃんと赤ちゃん人形に対する今回のSNSの反応は家族にとってはとても楽しい騒動なようで何よりである。