”イケメン韓国人”の写真で女性をおびき寄せる中国人詐欺師
先月26日のサウスチャイナ・モーニングポストの報道等によると、中国で韓国人男性2人の写真と複数のIDを使って39人の女性から56万元(約1,144万円)以上をだまし取った既婚男性に11年6ヶ月の懲役刑が言い渡されたという。
‘Fake handsome Korean’ Chinese man who conned 39 women of almost US$80,000 jailed https://t.co/fxb65TGKZw
— South China Morning Post (@SCMPNews) September 26, 2022
中国湖北省の裁判所が9月1日にオンライン公開した文書で明らかにしたところによると、この中国人詐欺師はフー・ガンシェン氏38歳。
2016年から2020年まで4年間もの間、医師や弁護士など装い主に20代の女性たちを騙していた。
彼の手口はオンラインロマンス詐欺の典型的なもの。上海の医師、深センの弁護士、博士号所持者、北京の学生などの煌びやかな偽の身元を騙り、インターネット上で見つけた2人のハンサムな韓国人男性の写真を使用して、SNSやマッチングアプリ経由で被害者をおびき寄せた。
簡単な手口で被害者女性達の信頼を得た後、彼は女性達から巧みにお金を送金させ、住宅ローンやクレジットカード、その他の費用の支払いに使っていた。 女性達に返済を求められると、アカウントをブロックしたり、返済を遅らせる巧みな言い訳をしたりしていたという。
ガンシェン氏に全貯蓄を奪われた22歳の被害者女性が警察に通報したことで、彼の詐欺行為は初めて明らかになった。
裁判所が公開した文書によると、この詐欺師は被害者女性達に直接会ったことは一度たりともないという。
ガンシェン氏は既婚男性で、「見た目は普通、身長は160cmと小柄、既婚で子供3人、無職」とのことだ。
判決は懲役11年6ヶ月、3万元(約61万)の罰金を科された。
コロナ禍で増大するオンラインロマンス詐欺被害
こういったオンラインロマンス詐欺はインターネット黎明期から存在しているものの、コロナ禍による外出自粛などによりその被害は世界的に増加している。以前は、SMS(ショートメール)をバラまいて反応した人をターゲットにしていたが、現在はFacebookなどのSNSやマッチングサイトでの出会いを演出する手法が主流となっている。
ちなみに今年8月には国際的ロマンス詐欺の首謀者と思われる日本人男性が大阪府警・国際捜査課とガーナ警察の協力により、ガーナで逮捕されている。
最近ではオンライン送金に詐欺の可能性がある、というのは徐々に認知されており通用し難くなっているようだ。しかし、詐欺師側も色々な代替案を捻りだしており、例えば「一緒に投資しよう」などと違う手口で誘う場合が増えてきているとのことだ。手口はいたって単純なものが多く、そうそう引っかかるものではないとは思うが、何らかの心のスキを突かれることがないとも限らない。皆さんご注意されたい。
参照元:South Chaina Morning Post、philstarlife.com、nextshark.com