砂浜で発見された金の結婚指輪
イギリス・ジャージー管区チャンネル諸島のジャージー島は風光明媚な観光地としても知られている。
ここに住み、海辺の砂浜で落とし物を探すことを”トレジャーハント”と称して愛好しているのがスティーブ・アンドリュース氏。
彼は日々金属探知機を手に砂浜を散歩し、発見したものをSNSへ投稿している。その情報が落とし主に届いて感謝されることも多々あるそうだ。彼はそれを楽しみに、日々”金属探知機愛好家”として落とし物探しのボランティア活動にいそしんでいる。
先月の初め、彼は島のセントオービンズベイの砂浜でシンプルなゴールドの指輪を発見した。
その指輪には、”1989年”と刻印があり、彼はそれが結婚指輪に違いないと考えた。もしそうであれば33年もの時を刻んだかけがいのない宝物である。事の重大さを考え、落とし主になんとか指輪を返還せねば、と彼は決意した。落とし主は心を痛めているに違いない。
Metal detectorist told to put found wedding ring back in the ocean https://t.co/DQeMlhtf0d pic.twitter.com/AspC8qsS1p
— New York Post (@nypost) October 25, 2022
落とし主にたどり着いた!しかし・・
早速、彼は自身が主催する“ジャージー・ロストリング金属探知(Jersey Lost Ring Metal Detecting)”Facebookグループへこの指輪の情報を公開した。しばらくたって、彼は続報をFacebookグループに投稿した。そこには、以下のような悲しい報告があった。
持ち主から連絡がありました。そして、指輪は海に戻してほしいと言われました。
この指輪は、結婚が終わったときに捨ててしまったものだそうです。
・・・。
匿名希望の持ち主女性は、彼に指輪は「悪い結婚の記憶」で「二度と見たくない」とも語ったそうである。
そして彼は「今度浜に行ったときに、また捨てます」とコメントを残して、本件は終了となった。
今回は、骨折り損のくたびれ儲け、元の木阿弥といった結果に終わってしまったが、こういった反応はごく稀なこと。“ジャージー・ロストリング金属探知”Facebookグループを見ると、他件では沢山の感謝の声が寄せられていることが分かる。
彼が金属探知機で発見したものは、1861年の1/13シリング銅貨、第二次世界大戦のドイツ軍の発煙筒、ダイヤモンド指輪等々多岐に渡っているという。彼は発見物を自身を模したレゴモデルと一緒に載せ、落とし物情報を公開している。
砂浜で指輪を紛失、という話は確かに身近でよく聞く話だ。
この砂浜の近くにはホテルがいくつかあり、ハネムーンや結婚式なども多く行われている。その後海水浴に繰り出し、結婚後即指輪を紛失という事態もままあるようで、彼のボランティア活動に感謝している地元の人々は多いそうだ。
大変貴重な彼の活動。今回の件に懲りずに今後も続けていって欲しい。