今週月曜日、韓国政府は人型セックスドールの輸入を正式に解禁した。このことにより、政府がどこまで私生活に干渉すべきなのか?という韓国内の長年の議論に部分的に終止符が打たれたという。この件は今月26日、AP通信やABCニュース等が報道し世界的なニュースとなっているようだ。
South Korea ends ban on imported sex dolls https://t.co/nSZqJz5dgY pic.twitter.com/svWRGCwknS
— CTV News (@CTVNews) December 26, 2022
(上掲の写真は、2019年10月18日、韓国の国会でセックスドールを持参したイ・ヨンジュ議員が発言しているところ。今回の議論の発端となった)
韓国では、人型セックスドールの輸入を正式に禁止する法律や規制はない。しかし韓国税関当局は“国の美しい伝統と公衆道徳を害する商品の輸入を禁止する法律”の条項を引用して、今まで何百、何千もの人型セックスドール商品を押収してきたという。
その度にセックスドールの輸入業者は苦情を申し立て、3年ほど前に裁判所に訴え出ていた。裁判所は、
“セックスドールは人々のプライベートな空間で使われるものであり、人間の尊厳を損なうものではない”
と判断、税関当局に対して押収物を解放するよう命じていた。
それを受けて12月26日に同国の関税庁は、“等身大かつ大人を模した”セックスドールの輸入に関するガイドラインの改訂版を施行した、と発表した。
これらは最近の裁判所の判決や、男女平等家族省などの政府関連機関の意見を検討した結果だという。
同国関税庁は今回の解禁対象は、あくまで「等身大かつ大人を模した」セックスドールであって、子供を模したもの、特定の人物を模したものの輸入は引き続き禁止するとしている。アメリカやオーストラリア、イギリスなどの国でもこれらは禁止されているという。
この決定は、私生活への国家の干渉を緩和する韓国政府の段階的な動きが反映されたものだと捉えられている。しかし、一部の女性権利団体や保守的なグループからは反対する声が上がる事が予想されてもいるそうだ。女性の性的対象化を深め、公衆道徳を損なうというのがその理由だ。
今回の決定を受け、セックスドールの輸入販売会社の元社長であるイ・サンジン氏は、以下のようにインタビューに答えている。
“時間がかかりすぎたが合理的な決定だ”
“人々が幸せを求める権利が国によって制限されていることは許しがたい。セックスドールを使用する人々は、性的に疎外されている人や芸術的な目的で必要な人など、さまざまなタイプの人がいるんです”
ちなみにイ氏によると、そもそも韓国当局は国産のダッチワイフの販売は制限していないという。しかし、その品質は一般的に外国製のダッチワイフより大変劣っているそうである。