40年間ガンプラを作り続け、ついに世界一に輝いた香港人男性が自らの人生を語る。”みんな私の人生を羨ましいと言うよ!”

カルチャー

世界一に輝いたガンプラビルダーは53歳の香港人

BANDAI SPIRITS公式、ガンプラ製作の世界一を決めるコンテスト「GUNPLA BUILDERS WORLD CUP」は今年で10回目を迎えている。
今大会は世界15エリアで開催され、各エリアを勝ち抜いた世界至高のガンプラ作品を創り出したファイナリストたちが集結し雌雄を決した。

今月17日に開催されたその決勝戦、「21歳以上の部」で世界一の栄誉に輝いたのは、香港に住むマンソン・ウン氏53歳。

この作品の題名は「Fragments of a Star」(星のかけら)。破壊されたエルメスの装甲がシャア専用ゲルググの背後に寄り添う。作品のテーマはズバリ「愛」だという。

アニメ「機動戦士ガンダム」において、ララアと、アムロ、シャアの関係はアムロがララアを失った悲しみを描いていますが、シャアの方はそこまで描かれなかったと思うんです。この作品を通じて、シャアの悲しみを表現したいと思ったんです。

とその作品世界を語るウン氏。物語を深く理解し、独自の解釈を加えその世界観をプラモデルで表現している。見事な作品だ。

40年にわたるガンダム人生に悔いなし

ウン氏は、香港のショッピングセンター内にある自身の工房でいつも未完成の模型キットに取り組んでいるそうだ。

ガンプラ、顔料、エアブラシなどの道具が所狭しと並べられた狭いスペースで彼は長年模型を完成させるために過ごしてきた。

「好きなことに心血を注げば、天は報いてくれる」と彼は言う。

1980年、日本の玩具メーカーバンダイが人気アニメ「機動戦士ガンダム」を題材にしたプラモデル(ガンプラ)を発売した。ウン氏はそのころ中学生。お小遣いを貯めてガンプラを買いに走ったという。以来、彼は40年に渡ってガンダムに情熱を注いでいる。

”ガンダムは私の人生と共にあります”

ウン氏は、現在もガンダムのアニメと模型作りの両方に魅了され続けていて、「ガンプラビルダーズワールドカップ」に4回参加、2018年には地区優勝も果たした。そして今月ついに、世界一に輝いた。

ガンプラ製作で最も難しいのは、創造性を発揮することだという。その発揮のためには、長く時間を費やす必要がある。今回の世界一に輝いた作品を完成させるのには、約1年かかったそうだ。

彼はプロのガンプラビルダーになる前は漫画家として生計を立てていた。しかしそれがうまく行かなくなり、長く趣味としていたガンプラビルダーとしてセカンドキャリアを築くことにしたという。8年前に自身の工房を開き、モデルやツールを販売を始め、模型製作教室も行っているそうだ。

彼は成功とは、財産や車を所有することではなく”情熱に対する欲求を満たすこと”だと思っている。
そして今の仕事を選択したことを一切後悔していない。これまでに 400 人以上の生徒を指導しており、そのうちの1人はガンプラビルダーズワールドカップの優勝者でもある。

「私の仕事は、私の趣味なんだ。その話をすると人々はうらやましがるね。」

とウン氏は言う。

「みんな私のことを “かっこいい “と思ってくれているんじゃないかな」

と充実した笑顔で語るウン氏は確かにとてもカッコイイ。その素晴らしい作品は、バンダイの公式サイトにて360度ビューで堪能することが出来る。ご興味ある方は、是非下記リンクを辿りお楽しみ頂きたい。

参照元:GUNPLA BUILDERS WORLD CUP FINAL(360度ビュー)South China Morning Postバンダイホビーサイトtwitter

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ひろしげ

海外渡航経験はハワイ、イギリス、ニュージーランド。大陸に憧れと恐れを抱く典型的島国の人です。趣味は大仏巡り。牛久大仏を擁する茨城県が魅力度ランキング最下位というのは納得できない。

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