珍妙な民間療法がTikiTokで拡散中
TikTokで昨今、珍妙な治療法が拡散されているという。その名も“potato sock”(ポテトソック)。
今シーズン、アメリカでは例年よりさらにインフルエンザの感染者が急増していおり、その民間療法として広まっているらしい。TikiToKでこのワードで検索すると沢山の動画がヒット、その総計は81億回という天文学的な再生数を記録してる。
その治療方法は以下のとおり。
@food_over_rx Potato sock flu remedy. It works !! My daughter has been feeling so much better !!! #potato #potatosocks ♬ Spongebob Tomfoolery – Dante9k Remix – David Snell
1. じゃがいもを適当な薄さにスライス、靴のインソールのごとく足底アーチの部分に張り付ける。
2. そして、靴下をはいて一晩寝ると・・。
3. 見ての通り、じゃがいもは一晩で真っ黒くろに!!体内の毒素をじゃがいもが抽出してくれた!
4. 気分すっきり新鮮で活気に満ちた気分に。
・・・。小学校時代、理科の実験でこんな色のじゃがいもを見た人は多いのではないだろうか。
ともあれ、米国でインフルエンザの蔓延に苦しむ人々になかには、この珍療法に頼っている人もいるようなのである。
「効いてる!娘がとても元気になりました!」と、ある母親はインフルエンザの子供にこの方法を試して成果があったと訴える。彼女の動画は660万回以上再生されていて詳細にそのメソッドを伝えている。ジャガイモは出来るだけ薄目で足のアーチにフィットするようにスライスするのがポイントだ、と彼女は述べる。
一方、別の母親アリシア・ノースさんは、自分の足の裏に一晩貼り付けて真っ黒になったじゃがいもを披露し、「体から何が抜けたにせよ、効果があったわ」と断言した。そして、とても気分が良くなったと爽やかに語っている。
もちろん、全く効き目がなかったと訴える人もいる。美容系インフルエンサー、イザベル・ラックスさんもこの流行の治療法を試している。彼女は「人生最悪のインフルエンザ」と闘っていた際この治療を試したが、一切役に立たなかったことを告白している。
じゃがいもはインフルエンザに効きません!
もちろん、医療専門家はTikToker達に対し、ポテトソック治療法に期待しないよう厳しく警告している。
当たり前だが、インフルエンザの症状を緩和する実証済みの方法は医療機関が用意している。TikTokの人気医師トミー・マーティン医師は、靴下に野菜を詰め込むより、子供にインフルエンザの予防接種を受けさせるよう勧める動画を投稿し注意喚起を行っている。
一方、別の栄養士は靴下から取り出したジャガイモが黒く変色している理由を説明する。黒い着色は体内から取り出された毒素によるものだ、という主張を言下に否定、
「スライスしたじゃがいもは空気と体温にさらされると、酵素による色の変化が起こります。病気とは何の関係もない現象です」
と述べている。
足裏が冷たくて気持ちいいかもしれないが、靴下にジャガイモを入れてもインフルエンザは治らない。ご存じのとおり、アメリカの医療保険制度は日本ほど充実しておらず、病院へ行くのは最後の手段と考えている人も多い。こんな非科学的な治療が拡散してしまうのはそういう背景もあるかもしれない。
とはいえ、日本にも怪しげな民間療法は跋扈している。どんな状況においても冷静に情報を取捨選択する姿勢は持ちたいものですね。