3月12日の午前1時30分過ぎ。アメリカ南中部オクラホマ州オクラホマ・シティの警官が飲酒運転の疑いのある車を捕まえた。
驚いた事にその運転手は、同警察署の幹部だった。
さらに驚愕すべきことに、その幹部は権威を盾に事態を隠蔽しようと図ったという。その様子は警官のボディーカメラにはっきりと記録されており、この度公開され反響を呼んでいる。
オクラホマ市警察の事件報告によると、同署の警官クリストファー・スキナー氏は、3月12日の午前1時30分過ぎにジェームズ・マシュー・フレンチ警部(55歳)を飲酒運転の疑いで停車させたという。
このスキナー氏のボディカメラ映像では、酔っているスキナー警部が
“俺はオクラホマシティ警察の警部だよ”
と言って胸を指差し、スキナー氏にボディカメラをオフにするように言っているところが写っている。
そして、ものの1分も経たないうちに、フレンチ警部は再びボディカメラをオフにするよう小声でささやく。
“カメラをオフにしてください。お願いします”
しかし、
「カメラをオフにするわけにはいかない」
とスキナー氏は毅然と答え、その後もなんとかもみ消しを図ろうとするフレンチ警部に対して、
「私は法を守ることを誓ってるんだ。とにかく見過ごすわけにはいかない。」
と強い姿勢を崩さない。最後にはフレンチ警部も観念したようだ。その後、アルコールチェックの検査に従順に従う様子が写り、最後には手錠をかけられ逮捕された。
オクラホマ市警察はCNNの取材に対して、フレンチ警部は調査結果が出るまで休職中であると述べている。
また、別のメディアでは同署署長のウェイド・ゴーリー氏が
「なぜフレンチ警部がこのような対応をしたのかについては推測するしかありません。スキナー警察官はカメラをオフにせず、本来あるべきことを正確に行いました」
とも語っている。
なんとも胸がつかえるような、気分の良くない映像であるが、警察官スキナー氏の毅然とした態度は賞賛したい。この映像を公開した同署も英断といえる。こうした毅然とした態度が、飲酒運転や犯罪隠蔽の減少に寄与することだろう。