ダビデ像を見せた校長が辞職
今月、米フロリダ州タラハシーにある学校の校長が、ルネッサンス期の美術の授業で、生徒にミケランジェロの作品『ダビデ像』の彫刻を見せたことに保護者からクレームを受け、最終的に辞職したことが物議を醸している。
Florida principal forced to resign after showing students Michelangelo's 'David' statue https://t.co/UXm4u2WQ5V
— Fox News (@FoxNews) March 25, 2023
20日に開かれた緊急教育委員会で、タラハシー・クラシカル・スクールのホープ・カラスキージャ校長は委員長から辞任か解雇かの決断を迫られ、わずか1年で職を退くこととなった。委員長は学校の雇用弁護士の助言のもと、彼女に辞職を求めた理由を明かさなかったというが、カラスキヤ校長は「このような形で突然辞任することになったのはとても悲しいです」と話している。
保護者への伝達ミスが原因か
今回問題となった授業内容には、保護者3人が子どもの気分を害したと訴えたと報じられており、2人の保護者は「事前に知らせてほしかった」と話し、もうひとりの保護者は「ポルノ的な授業だ」と言ったという。同校の新しい規則では、”物議を醸す可能性のある”カリキュラムを教える2週間前には保護者に通知し、教材を検討する時間を確保するよう求めているというが、今回は伝達ミスが生じてしまい全員に通知が行き届いていなかったようだ。
同校はヒルズデール・カレッジのカリキュラムに沿ったチャータースクールであり、6年生でルネサンス美術についての指導を行うことが義務付けられている。しかし、子供が何を学ぶのかを知る権利が保護者にはあり、その権利はたとえ10人であろうと50人であろうと守られるべきもので最優先であるとされる。
一方で、同校に子供を通わせる保護者は今回の出来事に衝撃を受け困惑している人も少なくない。個々の考え方や捉え方が多様化する現代で、このような問題は今後多く出てくるのかもしれない。