日本近海の海底8,300m、史上最深で発見された魚の映像が世界的な話題となる!

自然

「世界最深で確認された魚」の映像が話題である。

昨年8月、東京海洋大学や西オーストラリア大学などの国際研究グループは、日本の伊豆・小笠原海溝の海底付近、水深8336メートルでの魚類の撮影に成功した。それまでの記録8178メートルを158mも上回る快挙であった。

今月4日、その記録が正式にギネス世界記録に登録され認定証が研究グループに手渡された。そのこともあり、改めて世界にその偉業が発信されている。

この映像は、昨年2カ月間にわたる探査の一環として自動深海船から撮影されたもの。写っているのは”スネイルフィッシュ”と呼ばれる深海魚の仲間とみられる魚である。さらにこの映像が撮影されてから数日後、研究チームは水深8022メートルから「チヒロクサウオ(Pseudoliparis belyaevi種」を2匹捕獲したという。この2匹は水深 8000メートルを超える深さから採取された最初の魚であるという。

遠征隊の主任科学者でミンデルーUWA深海研究センターの創設者であるアラン・ジャミソン教授は取材に応えてこう述べている。

「水深8000メートルでは、水圧は海面上の約800倍にもなる」

「世界で最も深い魚がどんな特徴を持っているのかを想像すると、それは危険で黒く“大きな歯”と周囲が常に暗いため“小さな目”を持っている可能性が高い」

鱗はなく、現するゼラチン状の層がある。この層がこの過酷な環境で生きるのを助けているようだ。

フィルムに捉えられた個体たちは幼魚のようだったという。たしかに、そう言われると幼い表情をしているように見えてくる。

アラン・ジャミソン教授も10年程前は、”魚が8200~8400メートルを超える深さで生きる事は生物学的に不可能である”という仮説を立てていたそうだ。しかし、この10年でその仮説は次々と打ち破られ、これほどの超深海であっても以前想定していたよりも沢山の生き物が生活している事が分かってきたそうだ。

宇宙よりもたどり着くのが難しいと言われる未知の領域「深海」。海の最も深い場所はマリアナ海溝のチャレンジャー海淵でその深さは10920メートルもあるという。今後、人類はどの深さまで到達できるのか、そして最も深い場所にも今回のように生物は存在し、生活を営んでいるのか?興味は尽きない。

参照元:TheGuardianYoutube

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ひろしげ

海外渡航経験はハワイ、イギリス、ニュージーランド。大陸に憧れと恐れを抱く典型的島国の人です。趣味は大仏巡り。牛久大仏を擁する茨城県が魅力度ランキング最下位というのは納得できない。

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