中国でのサーカスのショーの最中に2頭のライオンが檻から逃げ出し周辺地域を駆け回る、という事件が発生した。
この事件は近隣地域の人々に多大な驚きをもたらし、地元の警察やサーカス関係者たちが緊急出動する事態となったという。
香港の日刊英字新聞「South China Morning Post」などの報道によると、この事件は今月15日、中国河南省洛陽市のサーカス団”Global Peak International Circus”の公演中に発生した。
同紙がYoutubeに公開した動画では、ショー中の2匹のライオンが檻から抜け出す様子が捉えられている。通常しっかりと施錠されている檻のドアの鍵が開いたままになっていたようだ。騒然として逃げ惑う観客たち。席は少なく小規模な開催であるようだが、観客達の感じた恐怖は尋常ではないだろう。
動画ではその後、サーカスショーの門出口のたもと、駐車場のあたりで茫然と佇んでいる一頭のライオンの様子が写っている。百獣の王と言われ畏怖されるライオンだが、周りの見慣れない風景に心細げにも見える。
幸いなことに、ライオンたちは人々を襲うことはなく、負傷者を出すこともなかった。通報を受け現場に急行した警察やサーカス団の関係者たちは、2頭のライオンをすぐに見つけ、捕まえることが出来た。ライオンたちは再び檻に入れられ、無事にサーカスの施設に戻されたという。
この事件は改めてサーカスで野生動物を扱うことのリスクを感じさせるものだ。さらには、野生動物たちが自然環境から離れて生活することの苦しさを考えさせる事件でもある。
先月にはお隣、韓国で”韓国ソウルの街中をさっそうと駆け抜ける白い影はシマウマ”という事件をご報告させていただいている。どちらも、街中で茫然と佇む野生動物の姿が印象的だ。多くの人々がサーカスで動物見物を楽しむ一方、サーカスに対する規制や動物福祉について再考を促されるような動画である。
なお、このサーカス団は最近設立されたばかりで4月30日までこの場所で公演する予定だったという。