今月16日、アメリカ・ロサンゼルス市で通報を受けて現地へ急行した警察官が蜂の大群に襲われた。その様子はテレビの生放送で中継されており、ミツバチの大群から逃げ惑う警察官の様子が全米に生中継された。
まるでホラー映画さながらの恐怖映像である。蜂が苦手な方は閲覧にご注意頂きたい。
16日の午後5時頃、カリフォルニア州ロサンゼルス市エンシノ地区の近郊で、ミツバチの群れが発生しているとの通報を受け当局が出動した。大量に発生したミツバチが無差別に襲いかかるため住民は家から出ることができず、少なくとも1人が刺されていたという。
この現場にいち早く到着したのが、ロサンゼルス市警察のボランティアとして18年間勤務しているゲイリーという名前の空軍退役軍人だった。彼はすぐに交通整理を始め、近所の人たちにミツバチの群れに近寄らず屋内に入るように誘導した。しかしその直後、ミツバチの大群が彼に向かっていった。
ミツバチが彼を取り囲み、何度も彼を刺した。まとわりつくミツバチを払いのけようとするも逆効果、さらなる興奮を誘発してしまったようだ。ゲイリーさんは警察の車に近寄り車内へ逃げ入ろうとするが、車内の人間もミツバチの群れへの恐怖から何ともすることも出来ない・・・。
ゲイリーさんは50~100回刺され、地面に倒れて頭を打ち眼窩を骨折したという。
この事件の様子はテレビの生放送で中継されていた。そして悲劇的なことに、ゲイリーさんの息子ダニエルさんはたまたまその映像をテレビで見ていたという。
ダニエルさんは地元TVの取材に応えて、
「胸が張り裂けそうで、信じられませんでした。とても痛そうでした」
「私は画面に向かって”なぜ周りの人々は助けてくれないのか?”と叫んだ。ばかげてる。出て行って助けてくれ!と」
とその心情を吐露している。
最終的に依頼を受けた養蜂家が現地へ到着し、ミツバチの群れを現場から遠ざけることが出来たという。
そして、ゲイリーさんは病院に搬送された。現在のところ容体は安定しているという。しかし残念なことに、ロサンゼルス市警察もロサンゼルス市もボランティアが負った負傷については組織として責任を負わないため、これによって発生する医療費は自費となってしまうのだそうだ。
ダニエルさんは対応に対して、寄付サイトをGoFundMeで立ち上げ寄付を募っているという。現在のところ約17,000ドル(約236万円)を集めている。
それにしても、長い間ボランティアで市民を守り、今回の事件にも一番に駆け付けたダニエルさんに対して、警察や市が取った対応はかなり信じがたいものだ。ダニエルさんの市民生活への貢献を心から尊敬するとともに、彼の早期回復を祈りたい。