スペイン北西部・リア・デ・ビーゴにある「メイラの塔」と呼ばれる遺跡で、こんな形の石が発掘チームによって掘り出された。
長さ6インチ(約15cm)のこの石は約500年前のものだと推測されるという。
Archaeologists discover a 6-inch stone penis that was used to sharpen weapons 500 years ago https://t.co/WgeT1HL75B pic.twitter.com/j86wHWkHQd
— Daily Mail U.K. (@DailyMailUK) June 14, 2023
発掘チームの広報担当者は、この種の表現は先史時代からすでに見られローマ時代においてはこのような表現にはエロティックな意味合いはあまりなかった、と述べている。
古代において、この形はいわゆる『魔除け』の役割を果たすと信じられており、赤ん坊が幸運を願ってこの形のアクセサリーを首につける風習もあったそうだ。
色々な民族において、古くこの形は崇拝の対象であり、魔術的・宗教的な意味合いを与えられていたという。確かに、有名な川崎市の奇祭「かなまら祭」もその文脈上にあると言えなくもない。
とはいえヨーロッパ中世時代においては、このモチーフが見られることは珍しい事だと言う。
さて、そういった点とメイラの塔の歴史から推測して、現地調査チームはこの石は、
“武器を研ぐ”ために使われたものだ
と考えているそうだ。
15世紀半ば、市民が支配階級に反旗を翻したとき、この地のメイラの塔は部分的に破壊された痕跡がある。破壊された材質と使用痕跡を詳細に分析した結果から、この石は、刀剣などの武器を研ぐための研ぎ石として使われたと解釈できるという。
現在、発掘チームはこの「メイラの塔」が単なる監視塔だったのか、それともそれ以上のものだったのか、という謎を解明するためにさらに調査を進めているという。
所変われば品変わる、文化風習は時と場所によってずいぶん違うものだ。現代に生きる男性としては、こんな形の物で鋭い刃を研ぐイメージは心胆を寒からしめるものがある。しかしながら、中世の反乱の民たちにはそんな気弱な姿勢など一切なく、支配階級の首を落とすべくギンギンの心持で刃を研いでいたのであろうか。