砲丸投げの選手がハードル種目に出場
先月、ポーランドで開催された『ヨーロッパ陸上チーム選手権』の女子100mハードルにおいて、ベルギーの選手が他の選手より20秒近く遅れてゴールする映像が話題となった。
満面の笑みを浮かべてレースに臨んだのは、ジョリアン・ブームクォ選手(29)だが、ぶっちぎりの最下位だったにもかかわらず、レース後には他国の選手らから祝福を受けるとともに称賛の声が寄せられたという。一体なぜなのか。
Every point *does* count at the European Team Championships!
Seventh in the shot put, Jolien Boumkwo 🇧🇪 steps in for the 100m hurdles at the very last minute in #Silesia2023! 👏 #EG2023
(@TeamBelgium, @The_EOC) pic.twitter.com/3rhERw9y5I
— European Athletics (@EuroAthletics) June 24, 2023
実は、ブームクォ選手は砲丸投げの選手だというのだ。
この日、ベルギーのハードル選手2人が負傷をしたためレースに出場できなくなってしまったという。しかし、ヨーロッパ選手権ではすべての選手と種目にポイントが与えられるため、この種目を棄権してしまうとポイントは無効となる。そこで、自国にポイントをもたらすために、ブームクォ選手がこの種目に出場したというのだ。
ブームクォ選手はハードルを一つも倒さず、32秒81でレースを終えた。優勝したスペイン選手の記録は13秒22で、その差は約20秒ほどだが、彼女の勇気ある決断でベルギーチームには2ポイントが加算されたという。下位3カ国はディビジョン1からの降格となるため、獲得したポイントは極めて重要なものとなったはずだが、結果的にベルギーは降格となってしまったそうだ。
それでも、不慣れなレースで怪我をしないために、自分のペースでゆっくりとハードルを超え、自国のポイント加算に貢献したことは世界中で話題となった。砲丸投げでもすでに7位入賞を果たしていたというブームクォ選手だが、まさか別の種目でこのように有名になってしまうとは想像もしていなかったことだろう。
参照元:Twitter、Independent