今月18日、中国南部の観光地でいかだ船の操縦士3名と観光客の諍いが乱闘へ発展する様子が撮影された。その乱闘を写した動画は、瞬く間に中国全土へ拡散され話題を呼んでいる。
ここは中華人民共和国・広西チワン族自治区桂林市陽朔県の水辺。陽朔県は“中国旅遊名県”と呼ばれ中国の観光都市の第一として挙げれる場合もある風光明媚な地域だ。観光業は同地の支柱的産業となって久しいという。
そこで起こったこの乱闘騒ぎは、中国本土でも驚きをもって受け止められている。現地対策本部の調査によると、この乱闘の原因は接岸作業中の操縦士と観光客との間の意見の祖語にあるそうだ。
はじめは言葉による罵り合いだったものの、対立はすぐに肉体的な激突にエスカレートした。そうなると、操縦士は大きな武器(櫂)を持っているだけにたちが悪い。
長い櫂をブンブン振り回す操縦士達に観光客はなすすべもない。操縦士は男性観光客を突き倒し、馬乗りになった。そして、男性観光客の援護に入っていた女性観光客は、あわれ川の中へ突き落されてしまう。
事件後、観光客の1人はすぐに地元の病院に搬送され診察を受けたが、幸いなことに大きな怪我はなかったという。
いかだ操縦士のうち3人は地元警察に身柄を拘束され、15日間の行政拘留処分を受け、また暴行に関与したとして罰金刑も科せられた。さらにこのいかだの運営会社である「玉龍渓会社」の主席リーダーと責任者は停職処分を受けた。
この動画のコメント欄には沢山の意見が寄せられている。
「拘束されるのは操縦士だけでいいのか?この男女は労働者の面前で侮辱したのだから、ハラスメント行為の罪を受けるべきだ」
「一部の観光客は本当に迷惑です」「暴行は暴行だ。人を直接攻撃ことをしてはいけない」「中国のホテルに入ると、スタッフと現地の宿泊客の間で口論になるのをよく耳にしたり目撃したりする。他の国ではあまり見ない風景だ」「中国人達の戦いを見ると、2歳くらいの子供時代を思い出す」「無礼な観光客にも罰を与えるべきだった」等々。
どちらかと言うと罰を受けた操縦士に同情的な意見が多いだろうか。ただ、ケンカ腰の観光客に対し暴力で対抗した事は接客業としては許容されない行為だともいえる。さらに操縦士と観光客、双方に罪ありとする声も多くある。
これから日本でも夏の観光シーズンが本格化する。こんな事態に陥ることなく、楽しく観光をエンジョイしたいものですね。