トランス女性がミス・オランダを戴冠
元男性のトランス女性、モデルのリッキー・ヴァレリー・コレさんが7月上旬、ミス・オランダの美人コンテストで優勝したと報じられ話題となっている。
22歳の彼女はステージ上で前任者のオナ・ムーディさんからミス・オランダのティアラを戴冠した。コレさんは今後、12月にエルサルバドルで開催される『ミス・ユニバース・ページェント』にオランダ代表として出場する予定である。
オランダ人とインドネシア・モルッカ先住民の血を引くコレさんはオランダ北ブラバント州ブレダの出身。彼女は、“幅広いセクシュアリティを持つ人々(LGBTQ+と称される)の代弁者になり、ロールモデルになりたい”と語っている。
若くしてトランスジェンダーであることをカミングアウトした後、彼女は周囲からサポートされていると感じられなかったという。その苦しみの物語を過去に残したい、というのが彼女の目標だそうだ。
ミス・ユニバースも新たな時代に?
ミス・ユニバースの栄冠を狙うトランス女性はコレさんが初めてではない。近年、多くのトランス女性が予選に出場し始めている。近い例を挙げると2018年のミス・スペインや2021年のミスUSAなどの予選大会にトランス女性の参加が確認できる。さらに、トランス女性で活動家のダニエラ・アロヨ・ゴンサレスは、来月には今年のミス・ユニバース・プエルトリコのタイトルをかけて出場する予定だ。
またトランスジェンダーでもあるタイの有名実業家アン・ジャカポン・ジャクラジュタティップ氏は昨年ミス・ユニバース機構を買収した。彼女は、この組織をオープンなプラットフォームとして発展させ次世代に向けたブランドに変革するつもりと語り、
『もうミス・ユニバースは美人コンテスト大会ではない。今後はあらゆる人々のエンパワーメント大会とするつもり』
と、その変革への展望を語っている。
コレさんが12月ミス・ユニバースのタイトルを取れば、もちろん初の快挙となる。長年保守的との批判にさらされてきた『ミス・ユニバース大会』にも大きな変革の渦が巻き起こっているようだ。12月の本大会を心して待ちたい。