巨大な毛玉が方向感覚を失う
先月下旬に開催されたパリ・ファッションウィークのなかで、『クリスチャン・コーワン』の2024年春夏コレクションのステージにおいて、ランウェイを歩くモデルが方向感覚を失い、客席の最前列に突っ込んでしまうというハプニングが起きた。
モデルのミジョン・ウッズが着用していたのは、ファーがあしらわれた大きな毛玉である。そして、その毛玉は顔も覆っているために、ランウェイをしっかりと確認することができなかったのだろう。
ステージ中央でパフォーマンスをするサム・スミスにもぶつかりそうになったため、誘導するかのように少し押す場面も見られたが、結局、バランスを崩したミジョンはスタッフらの手を借りることとなってしまったようだ。
ミジョンによると、衣装にはアイホールがあったというが、ステージのライトなどが影響したのか、物の影しか確認ができなかったという。また、長時間この衣装を着用していたために、バランス感覚を失ってしまったということだ。
モデル「ファッションは喜びを与えるもの」
この動画がSNSで拡散されると「モデルに対して失礼」「デザイナーは彼女たちをこのような状況に追い込んだことを恥じるべき」などと、モデルに対する同情の声が寄せられた。
しかし、一方でコーワンとミジョンはジョークとして笑い飛ばしているようだ。
コーワンは毛玉ボールを着たミジョンがパリを歩く動画を 「まだ迷い中」というキャプションとともに投稿した。また、ミジョンはこのようなコメントを出している。
初めてのパリのファッションショーの経験が、世界中の何百万人もの人々に届き、このようなファッション現象になるとは思ってもみませんでした。ミームやコメントにはいつも笑わされています。辛い時期を過ごしている人たちが、この瞬間に笑顔になったとコメントしているのを見る。それがとても嬉しい。ファッションは楽しく、人々に喜びを与え、会話を弾ませるものだと思う。
コーワンはこれまでにも奇抜なデザインを世に送り出しているが、CNNの報道によると、今回のこの衣装を購入したいという顧客がすでに一人いるとのことで、ファッションの世界はなんとも奥深いものですね。