裁判で連続勝訴した弁護士は無資格だった
ケニア高等法院の顧問弁護士として26件の勝訴判決を得ている敏腕弁護士ブライアン・ムウェンダが、このほどケニア警察に身柄を拘束されたという。
その理由は、彼が弁護士資格を持っていなかったからだ。さらには、ケニア法協会に登録するために他人のIDを盗み、情報を改ざんしていたことも明らかになった。
A Fake Lawyer named Brian Mwenda has been arrested in Kenya.
He won all 26 cases he handled before his arrest. pic.twitter.com/NmdgzWNel2
— Africa Facts Zone (@AfricaFactsZone) October 13, 2023
ケニア法学会ナイロビ支部の公式アカウントは、X(旧ツイッター)に「学会の全会員および一般市民に対し、ブライアン・ムウェンダ・ンジャギは、学会の記録上、ケニア高等法院の法廷弁護士ではなく、また支部の会員でもないことを通知したい」と投稿しているが、これまで仕事をともにしてきた裁判官らは皆、彼の能力を疑ったことすらなかったようだ。
ケニア法協会によると、ムウェンダは違法にポータルサイトにアクセスし、自分と似た名前のアカウントを特定して情報を改ざんし、そこに自分の写真をアップロードしていたという。しかし、9月下旬、その弁護士が開業証明書の申請のために会員サイトにログインしようとしたところ、アクセスができなくなっていたためにIT部門に連絡したところ、事件が発覚したのである。
ムウェンダは現在当局により拘束され、さらなる調査がおこなわれているというが、無資格にもかかわらず、これまで担当した26件すべてのケースにおいて勝訴していることに世間はただただ驚いているようだ。