水着モデルに男性を起用して炎上
オーストラリア出身のボディポジティブインフルエンサー、カリーナ・イルビーさんが経営するビキニ販売業者『モアナ・ビキニ』。57万人のフォロワーを抱える同社のSNSに、先週投稿された”ある動画”が物議を醸しているという。
Bikini company sparks backlash after man models women’s bathing suit https://t.co/nui0lwuFjZ pic.twitter.com/jhEl0xVLJL
— New York Post (@nypost) January 22, 2024
その投稿とは、販売価格99ドルのレーシーなワンピース水着をプロモーションするものだったが、ワンピース水着を着用していたモデルは女性ではなくジェイク・ヤングさんという男性だったのである。
「OBSESSED WITH THIS LOOK(このルックに夢中)」と同社はキャプションをつけ、ヤングさんがSサイズを着用しているとハートの絵文字を添えたその投稿には、女性用水着モデルに男性を起用したことを非難する声が多く寄せられ、また、同社のフォローを外すという声も多数見受けられた。「ターゲットが女性であるならば、これは悪い広告だわ」「女性向けにデザインされたものを男性モデルが着ても誰も買おうと思わないんじゃ…」などと否定的な声がある一方で、「サイズやモデルを常に包括的なものにしてくれてありがたい」「私がこのブランドを支持する一番の理由よ」と、同社の包括性を尊重し、賛同する声もあった。
批判コメント「憎しみは不安の反映」「あなたの問題」
今回モデルに起用されたヤングさんはこう話している。
女性にはいろいろなタイプがあり、あなたが”普通”と考えているものとは異なる解剖学的構造を持つ女性だっています。私は女性ではないし、そうだと主張したこともありませんが、この投稿は単にマイノリティーに力を与えるものであり、私はそのことについて感謝しています。
そして、批判コメントを受けた同社はこう見解を述べている。
あなたの憎しみはあなた自身の不安の反映です。ジェイクの水着姿がそんなに気に障るのであれば、それは”あなたの問題”かもしれません。同社の13年にわたるビジネスの中から、たった一つの投稿を抜き出して荒唐無稽なことを言うのは非常に馬鹿げています。同社は現存するブランドの中で包括的なブランドの一つであり、これまでもそうでした。女性のためのスタイルやサイズだけに限らず、最も重要なこととしてすべての人種、民族、体型、サイズ、性別などすべてを愛し受け入れています。これは今も昔も、そしてこれからも変わりません。
また、広報担当者もこう話す。
同社は否定的な声と肯定的な声のすべてのフィードバックを受け、それに耳を傾けることに満足しているものの、すべての人々を満足させることは不可能です。その投稿が気に入らない人は、それでも見続けるか、それともフォローを外すのか自分次第です。何かに腹を立てることを選択し、それに固執し、コメントし、関与することで、ますます自分自身を怒らせるような人生を送ることを想像してみてください。はっきりいえば、これは “私たち”の問題ではなく、”彼ら”の問題なのかもしれません。
多様性が求められる時代において、このようなプロモーションは今後ますます増えてくることだろう。それよりも、自分自身を特定されにくいネット上で他者の粗を探し、一方的に責め立てる昨今のSNSの闇に、同社が指摘した”あなたの問題”という点について合点がいくと思った人は多いのではないだろうか。
参照元:New York Post、X