インドの警察、”中国のスパイ”容疑で拘留していたハトを釈放!

カルチャー

中国スパイ疑惑でハト逮捕!

昨年5月、インド・ムンバイの警察は墨で書かれた中国語のメッセージらしきものを足にくくりつけられたハトを捕らえた。当局は「中国のスパイ」の疑いあり、として該当のハトを即時に監視下に置いたという。

スパイ容疑で確保されたハトは、同市バイ・サカルバイ・ディンショー・プチ動物病院で厳重に長期拘留(飼育)されていたという。

しかし、このほどこのハトが台湾のオープンウォーターレース用のレース鳩であったことが判明した。レースから逃れた末にインド・ムンバイまでたどり着いてしまったようだ。疑いが晴れたハトはボンベイ動物虐待防止協会に移され、1月末には空に放たれ無事自由の身となった。

ハトとスパイ活動の歴史

平和の象徴でもある”ハト”は、実はスパイ活動に利用されてきた長い歴史があるという。古代から戦場では伝書バトとして活躍。さらに第2次世界大戦中にはスパイとしてその本領を発揮している。

第2次世界大戦の初期、イギリスの諜報活動に活用されたことはご存じの方も多いかも知れない。イギリスの諜報組織は当時、ナチスが占領したヨーロッパのあらゆる地域にハトをばらまいた。ナチスの占領下で必死の抵抗を試みていたフランスやベルギーの国民達は、レーダー装置やナチス軍の動き、巡航ミサイルV1ロケットの発射台に関する情報などを書いた1000通ほどのメッセージをハトの足に括り付けたという。ハトたちはその卓越した帰巣本能によりその機密情報を見事ロンドンに持ち帰ったそうだ。
戻ってこないハトも多くいたが戦後、その勇気をたたえられ、ハトたちにはメダルが贈られたそうだ。

スパイ活動というと、昨今はスマホやドローンといった最新機器の活用をイメージしがちだが、こういった古典的なハトを活用した手法もまだまだ健在なようだ。

一見、笑い話のような今回のハト誤認逮捕劇。しかし、人口14億人を誇りともに核兵器保有国である隣国、インド・中国の間に漂う緊張感も垣間見える興味深いニュースでもあった。

参照元:MetroYoutube NATIONAL GEOGRAPHIC

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ひろしげ

海外渡航経験はハワイ、イギリス、ニュージーランド。大陸に憧れと恐れを抱く典型的島国の人です。趣味は大仏巡り。牛久大仏を擁する茨城県が魅力度ランキング最下位というのは納得できない。

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